週末に債務上限の引き上げで合意したことを受けて買いが先行したが、議会採決の行方に対する不透明感から失速すると終日軟調に推移。一方、長期金利の低下や半導体エヌビディアの上昇を支えにナスダック総合指数は+0.32%と3日続伸。連休明けの米株高を織り込んでいた東京市場は反動が意識されるなか、1ドル=140円を割り込んだ円高・ドル安も重しとなり、日経平均は271.07円安からスタートすると早い段階で一時400円近く下落。前場中ごろにかけては200円超下げ幅を縮めたが、戻り一服となると前引けにかけて再び31000円を割り込んだ。中国5月製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想に反して前月から悪化したことでアジア市況が大きく下落したことも嫌気され、後場は一段と下げ幅を広げた。
大引けの日経平均は前日比440.28円安の30887.88円となった。東証プライム市場の売買高は25億8648万株、売買代金は6兆9552億円だった。セクターでは卸売、鉄鋼、鉱業が下落率上位に並んだ一方、保険、空運のみが上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の86%、対して値上がり銘柄は12%だった。
個別では、三菱商事<8058>や丸紅<8002>、三井物産<8031>などの商社がそろって大きく下落。日本製鉄<5401>、JFEHD<5411>の鉄鋼も大幅安。ほか、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、三菱マテリアル<5711>、DOWA<5714>の非鉄金属のほか、コマツ<6301>、クボタ<6326>の建機など景気敏感株の下落率が大きい。海運では川崎汽船<
9107>の下落が目立った。為替の円高でSUBARU<7270>、マツダ<7261>などの自動車も軒並み安。レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、ソシオネクスト<6526>、SUMCO<3436>の半導体の一角、新光電工<6967>、太陽誘電<6976>、安川電機<6506>などのハイテクも安い。ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>、OLC<4661>など値がさ株も下落。
業績予想を下方修正したカナモト<9678>は大きく下落した。
一方、ルネサス<6723>、HOYA<7741>が半導体株安のなかで逆行高。米長期金利の低下を受け、Sansan<4443>、JMDC<4483>、マネーフォワード<3994>など内需系グロース
(成長)株が高い。三井住友<8316>、みずほFG<8411>、東京海上HD<8766>などの銀行・保険や、ヤクルト本社<2267>、アサヒGHD<2502>、ユニ・チャーム<8113>、塩野義製薬<4507>などのディフェンシブ系の一角も堅調。三菱ふそうとの経営統合を発表した日野自動車<7205>は急伸。メタバース関連企業の子会社化を発表したモバファク<3912>、業績フォーキャストが好感されたADワークス<2982>、目標株価が引き上げられたサンアスタリスク<4053>なども大幅高。今期の黒字転換と復配計画が好感された四国電力<9507>も上昇した。
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