個別では、前述のサンバイオが週間で39.8%安となり、マザーズ下落率トップだった。大日本住友製薬<4506>と再生細胞薬の共同開発及びライセンス契約を解消すると発表し、連日でストップ安を付けた。そーせいグループ<4565>が同1.8%安となるなど、他のバイオ関連株も軟調だった。前の週に上場したALiNKインターネット<7077>は利益確定売り優勢で、業績予想を下方修正したダブルエー<7683>は下落率2位にランクインした。反面、メルカリ<4385>が同5.1%高、ラクス<3923>が同10.4%高と堅調。前の週に上場したマクアケ<4479>は上値追いの展開となり、アズーム<3496>などが上昇率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではワークマンが同5.3%高、セリア<2782>が同4.7%高と堅調。ワークマンは初めて1万円の大台に乗せた。売買代金上位ではデ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>などが大きく上昇し、ダイヤ通商<7462>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。反面、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同2.1%安と軟調で、日本一ソフトウェア<3851>や大塚家具<8186>が下落率上位に顔を出した。IPOでは12社が新規上場し、注目のフリー<4478>を中心に初値好調が相次いだほか、その後も大いに賑わった。
今週の新興市場では、年末年始に向けて個人投資家主体の中小型株相場となりそうだ。日経平均の上値の重さから、個人投資家の物色は中小型株に向かいやすいだろう。12月のIPOラッシュは終盤に入るが、年明け後しばらくはIPO空白期間となるため、引き続きIPO銘柄物色が活発となることが見込まれる。また、フリーなど比較的大型のIPOを通過し、このところ株価調整していたマザーズ銘柄も資金還流によるリバウンドが期待される。
直近の上場銘柄ではマクアケやJTOWER<4485>で今後の業績成長を予想する証券会社レポートが見られ、フリーも各種メディアで特集され成長期待が高まっている。既存の銘柄ではラクスの買い戻し継続などに期待。なお、今週は12月26日に出前館<2484>、オプトエレクトロニクス<6664>、27日にソーバル<2186>、日本プロセス<9651>などが決算発表を予定している。出前館は「中食」拡大の恩恵が期待されるものの、今期も先行投資がかさむ見通し。
IPO関連では、5社が新規上場を予定している。東証2部上場で酒類販売のカクヤス<7686>は、東京を中心に知名度が比較的高いが、公開規模がやや大きい。AI(人工知能)を活用したOCR(光学式文字読み取り)サービスを提供するAIinside<4488>などは初値期待が高まっているようだ。2019年最後のIPOは12月26日上場のスポーツフィールド<7080>で、「掉尾の一振」への期待が高まりそうだ。
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