個別では、メルカリ<4385>が週間で4.0%安、サンバイオ<4592>が同3.1%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調。PKSHA Technology<3993>は同12.1%安と下げが目立った。売買代金上位でもそーせいグループ<4565>などが売り優勢で、チームスピリット<4397>は決算をきっかけに急落した。また、およそ1カ月半にわたり上昇基調が続いていたJIG-SAW<3914>は大きく値を崩し、週間のマザーズ下落率トップとなった。一方、アクセルマーク<3624>や大泉製作所<6618>が物色を集め、フェニックスバイオ<6190>が上昇率トップだった。材料性のある小型株が選好されたようだ。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同1.3%高となったものの、日本マクドナルドHD<2702>が同2.3%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同9.5%安とやはり全般さえない。ハーモニックは安川電機<6506>の決算を受けて売りが出た。売買代金上位では新株予約権の発行を発表したカルナバイオサイエンス<4572>が週末にストップ安まで売り込まれた。また、五洋インテックス<7519>が週間のジャスダック下落率トップとなった。反面、新規レーティング付与が観測されたオリコン<4800>などが買われ、SAMURAI&J PARTNERS<4764>が上昇率トップだった。IPOではフィードフォース<7068>が上場2日目に入り公開価格の2.4倍で初値を付けた。
今週の新興市場では、手控えムードが強まりそうだ。人気株の株価急落で個人投資家のセンチメントや需給の悪化が懸念される。今月下旬からの決算発表シーズンを前に株式市場全体としても模様眺めムードが続くとみられ、投資家心理は上向きづらいだろう。売買代金の低迷で、少額の買いでも値動きが出る小型株の物色が中心となりそうだが、資金の逃げ足の速さには注意したい。
今週は、7月16日にティーケーピー<3479>、ウォンテッドリー<3991>、マネーフォワード<3994>などが決算発表を予定している。ティーケーピーはシェアオフィス事業の買収に伴う業績予想の修正と新中期経営計画を6月に発表し、その後の株価は材料出尽くし感からやや調整。決算発表をきっかけに見直しの動きに期待したいところだが、時価総額が大きいだけに新興市場の売買低迷はネックとなる可能性がある。全般に物色の視点が中長期成長性から足元の業績変化にシフトすることも想定される。
IPO関連では、7月18日にLink-U<4446>がマザーズへ新規上場する。同社は電子書籍などの分野でサーバープラットフォームサービスを提供している。公開規模に軽量感は乏しいが、昨今のネット利用状況の変化に伴うデータ通信量の増大で、それを支えるサーバーインフラ技術やデータ処理技術への期待が高まっているようだ。
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