個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で6.2%安、ミクシィ<2121>が同1.5%安と軟調で、サンバイオ<4592>は同0.3%高にとどまった。売買代金上位ではオンコリスバイオファーマ<4588>やアンジェス<4563>といったバイオ関連の一角が売り優勢。また、前の週に上昇が目立ったアドベンチャー<6030>や、年初来安値更新となったシェアリングテクノロジー<3989>が週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、導出薬の試験結果が好感されたそーせいグループ<4565>は同21.5%高、月次売上の好調が続いたラクス<3923>は同14.3%高となり、イーエムネットジャパン<7036>が上昇率トップとなった。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同1.0%高となったものの、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同5.4%安、セリア<2782>が同10.3%安と軟調だった。セリアはレーティング引き下げの動きが観測されている。売買代金上位ではUTグループ<2146>やメイコー<6787>が売られ、新株予約権発行による資金調達を発表した日本一ソフトウェア<3851>が週間のジャスダック下落率トップとなった。反面、シンクレイヤ<1724>や地域新聞社<2164>が活況を見せ、主力事業売却を発表したオンキヨー<6628>が上昇率トップだった。
今週の新興市場では、マザーズ指数は上値の重い展開が続きそうだ。米政権による中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)排除の動きなどから、米中対立の影響がハイテク企業に及び始め、個人投資家も慎重姿勢を強めている。短期物色は比較的活発だが、株式相場全体の地合いの影響を受けやすい銘柄や、潜在的な売り需要の大きい銘柄は敬遠されやすい。値動きの強い銘柄や上値の重しがない直近IPO銘柄に物色が集中するだろう。
足元ではトビラシステムズ<4441>やグッドスピード<7676>といった直近IPO銘柄が上値追いの展開となっており、昨年12月に上場した自律制御システム研究所<6232>も高値更新となっている。なお、今週は5月27日にウチダエスコ<4699>、30日にACCESS<4813>、31日に東和フードサービス<3329>、はてな<3930>などが決算発表を予定している。はてなは前四半期まで好調に推移しており、今回の第3四半期決算も注目されそうだ。
IPO関連では、5月30日にバルテス<4442>がマザーズへ新規上場する。およそ1カ月ぶり、かつ令和最初のIPOとなる。ソフトウェアテストを中心としたサービスを手掛けており、公開規模が小さいこともあって初値期待が高まっているようだ。また、先週は新日本製薬<4931>(6月27日、マザーズ)など5社の新規上場が発表されており、6月のIPOは現時点で11社まで増えている。
<FA>
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