■決算を手掛かりとした物色が中心
■ソフトバンクG、経常損益は1761.94億円の赤字
■前場の注目材料:安川電機、インバーターの世界生産3割増、省エネ需要堅調
■決算を手掛かりとした物色が中心
9日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場はNYダウが158ドル安、ナスダックは110ポイント安だった。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが主要銀6行の格付見直しや中小銀10行の格下げを発表した。金融不安が再燃し、金融セクターを中心に売られ、大幅続落となった。しかし、金利低下で安値からは押し目買いが入り、終盤にかけて下げ幅を大幅に縮小し終了。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比20円高の32310円。円相場は1ドル143円30銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、小動きで始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時32090円まで売られた後に切り返し、日中比変わらずで終えた。米地銀格下げによる影響は警戒されるものの、SQ前で積極的に仕掛けてくる流れにはならないだろう。また、決算発表がピークを迎えることも様子見姿勢に向かわせやすいと考えられる。そのため、短期筋の商いが中心になると考えられるため、売り仕掛け的な動きになるようだと、売り一巡後のリバウンド狙いに向かわせそうだ。
本日はソフトバンクG<9984>の決算反応に、市場参加者の関心が集まりやすいだろう。決算を受けた初動反応としてはPTSで3%超の下落となったが、ADRでは下落幅を縮めていたこともあり、昨日の上昇に対する反動安はありそうだが、売りを仕掛けてくる流れにはならないだろう。底堅さが意識されてくるようだと、アク抜け感からのリバウンド狙いに向かわせる可能性もあるだろう。もっとも米国では半導体株の弱さが目立っている。東京市場においても昨日はアドバンテスト<6857>の弱い値動きが重荷となっていた。
半導体株については、バイデン米大統領が対中投資制限へ大統領令を発令するといった見方がされている。半導体株は手掛けづらく、指数の上値を抑える可能性はありそうだ。そのため、全体としてはこう着感の強い相場展開のなか、決算を手掛かりとした物色が中心になるだろう。昨日の引け後に決算を発表したところでは、アシックス<7936>、マツダ<7261>、タムロン<7740>、関ペイント<4613>、タカラトミー<7867>、アズビル<6845>、ラック<3857>などが注目されよう。
■ソフトバンクG、経常損益は1761.94億円の赤字
ソフトバンクG<9984>が発表した2024年3月期第1四半期業績は、売上高が前年同期比0.9%減の1兆5575.07億円、経常損益は1761.94億円の赤字(前年同期は3兆2924.55億円の赤字)だった。AI関連の新興企業に投資するビジョン・ファンド事業は6四半期ぶりに黒字転換したものの、為替差損などが重荷となった。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(32377.29、+122.73)
・1ドル=143.30-40円
・シカゴ日経先物は上昇(32310、大阪比+20)
・米原油先物は上昇(82.92、+0.98)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・安川電機<6506>インバーターの世界生産3割増、省エネ需要堅調
・りそなHD<8308>りそな銀行、100億円ファンド設立、ベンチャーデット投入
・住友商事<8053>双日と、豪ガス田権益取得、LNG安定供給
・大和工業<5444>インドネシア社の事業買収、形鋼生産を拡充
・戸田工業<4100>エア・ウォーターと北海道豊富町で水素生成、26年度以降に商業運転
・アステラス製薬<4503>米ポセイダに72億円投資、がん領域で戦略提携
・インフロニアHD<5076>東芝非公開化に200億円出資、インフラ事業強化
・三井物産<8031>エクアドルのエビ養殖社に500億円出資、加工・遺伝子技術で連携
・パイオラックス<5988>栃木・真岡でCASE対応製品増産、新工場第2期を25年度稼働
・日清紡HD<3105>独コンチネンタルと、インドに電子制御ブレーキ向け部品の工場新設
・日本製紙<3863>大王製紙と海上共同輸送を開始、物流24年問題・脱炭素化対策
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 7月マネーストックM3(6月:前年比+2.1%)
<海外>
・10:30 中・7月消費者物価指数(前年比予想:-0.4%、6月:0.0%)
・10:30 中・7月生産者物価指数(前年比予想:-4.0%、6月:-5.4%) <ST>
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