21日の米株式市場はキング牧師生誕記念日のため休場だった。為替相場は朝方、1ドル=109.60円台とやや円安方向に振れており、本日の日経平均は50円高と小高くスタートすると、寄り付き直後にこの日の高値20805.93円(86.60円高)を付けた。しかし、その後は利益確定売りに押されマイナスに転じる場面もあり、手掛かり材料に乏しいなかで前日終値を挟んでもみ合う展開となった。東証1部売買代金は概算で7300億円にとどまり、東証1部の値下がり銘柄は全体の6割強となっている。
個別では、東京電力HD<9501>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、ファーストリテ<9983>などが小幅に下げた。日本電産<6594>、ソニー<6758>は1%の下落と軟調。会員制サービスの見直し観測が報じられたZOZO<3092>も反応は限定的で、続落した。シャープ<6753>や千代化建<6366>は4%超の下落。また、Gunosy<6047>が利益確定売り優勢で急反落し、東証1部下落率トップとなった。一方、任天堂<7974>や武田薬<4502>はしっかり。武田薬は新興国市場の資産の一部売却を検討しているなどと報じられている。ユニファミマ<8028>は押し目買いが入り3%超の上昇。中小型株では荏原実業<6328>が前日に続き活況を見せた。また、自社株買い実施を発表した新明和工<7224>が急伸し、クボテック<
7709>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、石油・石炭製品、鉄鋼、金属製品などが下落率上位。反面、空運業、小売業、陸運業などが上昇率上位だった。内需・ディフェンシブセクターに資金が向かったようだ。
前日の米国市場は休場で、アジア市場では中国・上海総合指数がやはり小安く推移しているとあって、東京市場でも積極的な買いは入りづらい状況だろう。米政府機関の閉鎖解除に向けた動きが取り沙汰される一方、米中通商協議において知的財産権に関する問題でほとんど進展が見られないと伝わるなど、海外情勢については強弱材料が入り混じっている。連休明けの米国市場の反応を見極めたいところだろう。また、国際通貨基金(IMF)が
2019年の世界経済の成長率予測を下方修正しており、決算発表シーズンを前に利益確定の売りを誘う形となっている。
新興市場でもマザーズ指数が続落して前場を折り返した。前日に大商いとなったサンバイオ<4592>は小安い。ただ、昨年12月上場のベルトラ<7048>やM&A(企業の合併・買収)を発表したパートナーA<6181>は値を飛ばしており、中小型の材料株物色中心の相場展開となっていることが窺える。
(小林大純)
<AK>
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