7日の米株式市場でNYダウは98ドル高と続伸。朝方は前週末の株価上昇を受けて利益確定の売りも出たが、米中の通商協議進展に楽観的な見方が広がり、堅調な展開となった。新たなGPU(画像処理半導体)を発表したエヌビディアなどハイテク株の上げが目立った。為替相場もリスク選好の円売りが再燃して1ドル=108円台後半と円安方向に振れており、本日の日経平均は米株高や円安を好感して185円高からスタートした。朝方には一時20258.50円(219.53円高)まで上昇したものの、上値では戻り待ちの売りが出て伸び悩む場面もあった。東証1部の値上がり銘柄は全体の6割強となっている。
個別では、米ハイテク株高が買い材料視されたソフトバンクG<9984>、レーティング引き上げ観測のファナック<6954>がともに3%を超える上昇となり、日経平均の上昇をけん引した。東海カーボ<5301>は割安感に着目した買いが入り急伸。12月の既存店売上高が堅調だったアダストリア<2685>やUアローズ<7606>も上げが目立った。その他売買代金上位ではトヨタ自<7203>、ユニファミマ<8028>などが堅調で、任天堂<7974>や武田薬<4502>は小じっかり。また、田淵電機<6624>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、ソニー<6758>、JT<2914>、7&iHD<3382>などがさえない。資生堂<4911>やアドバンテス<6857>は2%超下落した。また、業績観測報道が伝わったウエルシアHD<3141>が急反落し、ネクステージ<3186>などとともに東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、海運業、石油・石炭製品、精密機器などが上昇率上位。反面、陸運業、空運業、倉庫・運輸関連業などが下落率上位だった。
米株高や円相場の弱含みが好感され、東京市場では本日も買いが先行した。北京で開かれている米中の次官級協議に中国の劉鶴副首相が出席したと報じられており、協議進展への期待が高まっている。それでも前場の日経平均は前日の高値(20266.22円)を抜けられなかった。2万円台での戻り売り圧力もさることながら、米中協議の行方や安川電<6506>の決算内容を見極めたいとのムードが強いことが窺える。産業用ロボットなどで米中の追加関税の影響が強まっているとの報道もあり、今週10日に発表される安川電の決算に対する警戒感が高まりやすいだろう。
一方で、外部環境の影響を受けにくい中小型株には個人投資家の物色が向かっているようだ。SOSEI<4565>の株価急伸もあり、マザーズ指数は3%近い上昇で前場を折り返した。新年相場入りによる需給改善から目先のリバウンド期待が高まっているようだが、株式市場全体の地合いが急変すれば資金の逃げ足も速いだろう。慎重な対応を心掛けたい。
(小林大純)
<AK>
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