■日経平均は新型コロナと原油安で下落
前週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週ぶりのマイナスに転じた。経済活動の再開や新型コロナウイルス治療薬の開発への期待から17日のNYダウは続伸したものの、週初20日の日経平均は前週末に急伸した反動もあり反落。原油先物価格が史上初めてマイナスとなったことがネガティブ視され、20日のNYダウが3日ぶりに急反落したことを嫌気して、21日の日経平均も続落、北朝鮮・金正恩委員長の健康問題報道などが懸念されて、後場に下げ幅を転げる展開となった。こうしたなか個別では、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の増産検討を始めたと報じられた任天堂<7974>や、防衛関連の石川製作所<6208>などが逆行高となった。また、小型株には利益確定売りが広がり、ジャスダック平均は12営業日ぶり、マザーズ指数は7営業日ぶりに反落した。原油安や企業の業績悪化から21日のNYダウが大幅続落した流れを受け、22日の日経平均は3日続落となった。指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>や東エレク<8035>の大幅安が日経平均を押し下げ、取引時間では4月8日以来となる19000円を割り込む場面も一時あった。ただ、日銀のETF買いもあり、大引けでは19000円台を保持。米国政府の中小企業追加救済策に成立のメドが立ち、原油価格も反発したことで22日のNYダウは3日ぶりに反発。この流れを好感して23日の日経平均も4日ぶりに反発した。ファナック<6954>など景気敏感株の一角が強含み、日経平均は大引けにかけて上げ幅を拡大。個別では、2020年9月期上半期業績が好感されたサイバーエージェント<4751>の上昇が目立った。23日のNYダウは、原油価格の反発や日銀の追加金融緩和の観測を好感して続伸した。しかし、新型コロナウイルスの治療薬として有望視されていたギリアド・サイエンシズ社の抗ウイルス剤「レムデシビル」の治験初回が失敗したと報じられ、大引けにかけて上げ幅を縮小、ナスダック指数は小反落した。この失速気味の米国市場の流れを受けて、24日の日経平均も反落となった。半導体の米インテルが決算を受けて時間外取引において大きく値下がりしたことが警戒された。24日のNYダウは前日比260.01ドル高の23775.27ドルと3日続伸。予想外の健闘を見せた一部の経済指標や、トランプ大統領の署名により追加中小企業救済策が成立したこと、そのほか原油価格の続伸が追い風となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比240.00円高の19430.00円で大引けている。
■非常事態宣言の延長期間が焦点に
今週からゴールデンウイーク(GW)明け5月8日までの日経平均は19000円近辺での神経質な展開が予想される。4月20日の米国市場で、NY原油先物5月限(WTI)が史上初めてマイナスとなるなど原油市況が株式市場の波乱要因となったが、ここにきて落ち着き始めている。新型コロナウイルスに関連するニュースフローとともに原油の市況動向は引き続き懸念材料だ。しかし、米国では新型コロナウイルスの新規感染者数が頭打ち傾向にあり、経済活動再開への期待から景気の悪化懸念が和らいでいることが、相場の下支え材料として働いている。このほか、27日の日銀金融政策決定会合、28日からのFOMC(連邦公開市場委員会)と2大金融イベントが控えているものの、東京市場にとってマイナス材料が表面化する見込みはない。むしろ、29日の米1-3月期GDP、5月1日の米4月ISM製造業景況指数など米国の主要経済指標が波乱材料となる可能性がある。5月8日の東京市場の大引け後の発表となる米4月米雇用統計を控えて見送りムードが強まりやすい。さらに、国内では5月6日を期限としている緊急事態宣言の延長問題がゴールデンウイーク中にまとまる見込みで、その延長期間がマーケットのセンチメントに与える影響も大きいだろう。いずれにせよ、GWという日本特有のカレンダー事情から市場エネルギーが減少することが予想され、大型株には積極的な買いが入りにくい。こうしたなか、決算発表が本格化することも手控え要因となる。そのため、21日から一服を入れたマザーズやジャスダックなど小型株の物色人気が再燃することが見込まれる。特にマザーズ指数は24日に続伸して週を折り返し、出来高を膨らませていることが注目される。なお、注目される企業の決算としては、27日にルネサス<6723>、日東電工<6988>、アンジェス<4563>、28日に信越化学<4063>、NEC<6701>、富士通<6702>、ANA<9202>、NTTドコモ<9437>、30日に東京エレクトロン<8035>、メルカリ<4385>、村田製作所<6981>、5月1日に三井物産<8031>、週が変わって7日は三越伊勢丹<3099>、任天堂<7974>、ワークマン<7564>が予定されている。
■金融政策決定会合、FOMC、米雇用統計
今週から5月8日までの主な国内経済関連スケジュールは、27日に日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁会見、28日に3月失業率・有効求人倍率、30日に3月鉱工業生産、4月消費動向調査、翌週では、7日に4月マネタリーベース、日銀の金融政策決定会合議事要旨が予定されている。一方、海外では、28日にFOMC(29日まで)、米4月CB消費者信頼感指数、29日に米1-3月期GDP、30日に中国4月製造業PMI、ECB定例理事会、ユーロ圏1-3月期GDP、米3月個人所得・個人支出、1日に中国労働節休暇(5日まで)、米4月ISM製造業景況指数、翌週では、5日に米4月ISM非製造業景況指数、6日に米4月ADP雇用統計、ユーロ圏3月小売売上高、7日に中国4月貿易収支、8日に米4月雇用統計が予定されている。
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前週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週ぶりのマイナスに転じた。経済活動の再開や新型コロナウイルス治療薬の開発への期待から17日のNYダウは続伸したものの、週初20日の日経平均は前週末に急伸した反動もあり反落。原油先物価格が史上初めてマイナスとなったことがネガティブ視され、20日のNYダウが3日ぶりに急反落したことを嫌気して、21日の日経平均も続落、北朝鮮・金正恩委員長の健康問題報道などが懸念されて、後場に下げ幅を転げる展開となった。こうしたなか個別では、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の増産検討を始めたと報じられた任天堂<7974>や、防衛関連の石川製作所<6208>などが逆行高となった。また、小型株には利益確定売りが広がり、ジャスダック平均は12営業日ぶり、マザーズ指数は7営業日ぶりに反落した。原油安や企業の業績悪化から21日のNYダウが大幅続落した流れを受け、22日の日経平均は3日続落となった。指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>や東エレク<8035>の大幅安が日経平均を押し下げ、取引時間では4月8日以来となる19000円を割り込む場面も一時あった。ただ、日銀のETF買いもあり、大引けでは19000円台を保持。米国政府の中小企業追加救済策に成立のメドが立ち、原油価格も反発したことで22日のNYダウは3日ぶりに反発。この流れを好感して23日の日経平均も4日ぶりに反発した。ファナック<6954>など景気敏感株の一角が強含み、日経平均は大引けにかけて上げ幅を拡大。個別では、2020年9月期上半期業績が好感されたサイバーエージェント<4751>の上昇が目立った。23日のNYダウは、原油価格の反発や日銀の追加金融緩和の観測を好感して続伸した。しかし、新型コロナウイルスの治療薬として有望視されていたギリアド・サイエンシズ社の抗ウイルス剤「レムデシビル」の治験初回が失敗したと報じられ、大引けにかけて上げ幅を縮小、ナスダック指数は小反落した。この失速気味の米国市場の流れを受けて、24日の日経平均も反落となった。半導体の米インテルが決算を受けて時間外取引において大きく値下がりしたことが警戒された。24日のNYダウは前日比260.01ドル高の23775.27ドルと3日続伸。予想外の健闘を見せた一部の経済指標や、トランプ大統領の署名により追加中小企業救済策が成立したこと、そのほか原油価格の続伸が追い風となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比240.00円高の19430.00円で大引けている。
■非常事態宣言の延長期間が焦点に
今週からゴールデンウイーク(GW)明け5月8日までの日経平均は19000円近辺での神経質な展開が予想される。4月20日の米国市場で、NY原油先物5月限(WTI)が史上初めてマイナスとなるなど原油市況が株式市場の波乱要因となったが、ここにきて落ち着き始めている。新型コロナウイルスに関連するニュースフローとともに原油の市況動向は引き続き懸念材料だ。しかし、米国では新型コロナウイルスの新規感染者数が頭打ち傾向にあり、経済活動再開への期待から景気の悪化懸念が和らいでいることが、相場の下支え材料として働いている。このほか、27日の日銀金融政策決定会合、28日からのFOMC(連邦公開市場委員会)と2大金融イベントが控えているものの、東京市場にとってマイナス材料が表面化する見込みはない。むしろ、29日の米1-3月期GDP、5月1日の米4月ISM製造業景況指数など米国の主要経済指標が波乱材料となる可能性がある。5月8日の東京市場の大引け後の発表となる米4月米雇用統計を控えて見送りムードが強まりやすい。さらに、国内では5月6日を期限としている緊急事態宣言の延長問題がゴールデンウイーク中にまとまる見込みで、その延長期間がマーケットのセンチメントに与える影響も大きいだろう。いずれにせよ、GWという日本特有のカレンダー事情から市場エネルギーが減少することが予想され、大型株には積極的な買いが入りにくい。こうしたなか、決算発表が本格化することも手控え要因となる。そのため、21日から一服を入れたマザーズやジャスダックなど小型株の物色人気が再燃することが見込まれる。特にマザーズ指数は24日に続伸して週を折り返し、出来高を膨らませていることが注目される。なお、注目される企業の決算としては、27日にルネサス<6723>、日東電工<6988>、アンジェス<4563>、28日に信越化学<4063>、NEC<6701>、富士通<6702>、ANA<9202>、NTTドコモ<9437>、30日に東京エレクトロン<8035>、メルカリ<4385>、村田製作所<6981>、5月1日に三井物産<8031>、週が変わって7日は三越伊勢丹<3099>、任天堂<7974>、ワークマン<7564>が予定されている。
■金融政策決定会合、FOMC、米雇用統計
今週から5月8日までの主な国内経済関連スケジュールは、27日に日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁会見、28日に3月失業率・有効求人倍率、30日に3月鉱工業生産、4月消費動向調査、翌週では、7日に4月マネタリーベース、日銀の金融政策決定会合議事要旨が予定されている。一方、海外では、28日にFOMC(29日まで)、米4月CB消費者信頼感指数、29日に米1-3月期GDP、30日に中国4月製造業PMI、ECB定例理事会、ユーロ圏1-3月期GDP、米3月個人所得・個人支出、1日に中国労働節休暇(5日まで)、米4月ISM製造業景況指数、翌週では、5日に米4月ISM非製造業景況指数、6日に米4月ADP雇用統計、ユーロ圏3月小売売上高、7日に中国4月貿易収支、8日に米4月雇用統計が予定されている。
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