週明け15日の米株式市場でNYダウは27ドル安と反落。2019年1-3月期決算が減収減益となったゴールドマン・サックスなどが売られた。日米の貿易交渉で米側が通貨切り下げを自制する為替条項を要求するのではとの思惑から、為替市場では円相場が1ドル=112円近辺で下げ渋っている。日経平均は前日、およそ4カ月ぶりに節目の22000円台を回復していたため、本日は米国株の反落や円安一服を背景に利益確定売りが先行し、60円安からスタート。朝方プラスに切り返し、一時22261.33円(92.22円高)まで上昇したが、一段と上値を追う動きは鈍く伸び悩む展開となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の3割強、対して値下がり銘柄は6割ほどとなっている。
個別では、ソフトバンクG<9984>とファーストリテ<9983>がそろって2%近い上昇。携帯電話の通信料金引き下げを発表したNTTドコモ<9437>だが、あく抜け感から4%近く上昇し、ソフトバンク<9434>やKDDI<9433>といった他の通信大手も大きく買われた。なお、ファーストリテとKDDI、ソフトバンクGの3銘柄で日経平均を約98円押し上げた。
その他売買代金上位では任天堂<7974>やトヨタ自<7203>が小高く、外資系証券の買い推奨が観測されたソニー<6758>やSUMCO<3436>は堅調。また、決算が好感されたRPA<6572>や東京ベース<3415>が東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、キーエンス<6861>、安川電<6506>、ファナック<6954>などがさえない。日本郵政<6178>による株式売出しで売出価格が発表されたかんぽ生命保険<7181>、レーティング引き下げ観測の良品計画<7453>は3%超下落した。セクターでは、情報・通信業、海運業、保険業などが上昇率上位。反面、パルプ・紙、鉱業、石油・石炭製品などが下落率上位だった。
日経平均は前日までの3日間で480円あまり上昇し、心理的節目の22000円を上回った。このため、本日は短期的な達成感や高値警戒感から利益確定の売りが先行する展開が想定されていた。ただ、結果的に朝安後に切り返す展開となり、センチメントの良好さが意識されるだろう。日経平均寄与度の大きいファーストリテやソフトバンクGが引き続き強い値動きとなっており、一部証券会社の買い推奨を受けて海運株や電機株の一角も堅調に推移。また前日は2月期決算発表の最終盤であり、RPAなど好業績の中小型株が個人投資家からの人気を集めている。
一方、米ゴールドマンの下落などからメガバンク株が小反落しているほか、日米貿易交渉が始まり自動車株も上値が重い。東証株価指数(TOPIX)はマイナスで前場を折り返し、東証1部銘柄のおよそ6割が値下がりするなど、物色に広がりは見られない。後場の日経平均は小高い水準でややこう着感を強めそうだ。
(小林大純)
<AK>
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