5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は6日ぶり大幅反発、政策期待高まるが戻り余地見極め
・ドル・円は下げ渋り、日本株高で108円台を維持
・値上がり寄与トップは、ソフトバンクグループ<9984>、同2位はファナック<6954>
■日経平均は6日ぶり大幅反発、政策期待高まるが戻り余地見極め
日経平均は6日ぶり大幅反発。392.10円高の20800.64円(出来高概算6億4000万株)で前場の取引を終えている。
4日の米株式市場でNYダウは大幅続伸。512ドル高と今年2番目の上げ幅を記録した。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が必要であれば利下げに動く可能性を示唆し、好感した買いが広がった。また、中国政府が米国との貿易摩擦に関し対話での解決を求め、摩擦激化への懸念も和らいだ。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで259円高からスタート。その後も上げ幅を広げ、ここまでの高値で前場を折り返した。東証1部の値上がり銘柄は全体の9割弱となっている。
個別では、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、ソニー<6758>、東エレク<8035>など売買代金上位は全般堅調。第一三共<4568>や安川電<6506>は5%前後の上昇となった。半導体や電子部品、設備投資関連株を中心に上げが目立った。レーティング引き上げ観測の邦チタニウム<5727>や大阪チタ<5726>、米社とのライセンス契約締結が材料視されたサンリオ<8136>は急伸し、双信電機<6938>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、売買代金上位ではファーストリテ<9983>と花王<4452>が逆行安。ファーストリテは5月の国内「ユニクロ」既存店売上高が2カ月連続の減収となった。また、同じく月次売上速報を発表したアダストリア<2685>や、前期決算が2ケタ減益となったアインHD<9627>が東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、全33業種がプラスとなり、非鉄金属、海運業、金属製品、機械、ガラス・土石製品などが上昇率上位だった。
前日までの5日間で850円あまり下落していた日経平均だが、本日は米株高を手掛かりに急反発する展開となった。世界経済の減速懸念が強まるなか、FRBによる金融緩和への期待が高まっている。市場はFRBの年内利下げをほぼ確実とみる。日本では夏の参院選を控え政策期待が高まる可能性があり、日米で「催促相場」の様相が強まることも想定される。懸案の通商摩擦を巡っては、中国が米国との対話姿勢を改めて示したほか、メキシコのロペスオブラドール大統領が米国による追加関税発動の期限より前に合意できるだろうなどと述べており、サプライチェーン(供給網)への影響に懸念が強まっていた自動車株を中心に輸出株や景気敏感株の買い戻しの動きが見られる。
とはいえ、日経平均が一段の戻りを見せるかについてはなお懐疑的な見方が多い。米中摩擦に関しては中国側が具体的な打開策を示したわけでなく、米国側の反応も見通せない。懸念が払拭されたとは言えない状況だ。また、米利下げ観測の拡大からドル・円は108円近辺と反発が鈍く、輸出企業の採算悪化懸念は拭えない。日経平均の目先の戻りに乗るかは慎重に判断する必要があるだろう。
■ドル・円は下げ渋り、日本株高で108円台を維持
5日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。米利下げ観測を背景にドル売り基調が続くなか、日本株高を受けた円売りでドルは108円台を維持した。
前日のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長による慎重な発言を受け年内利下げ観測が広がるなか、ドル・円は下落基調が鮮明となり108円付近まで軟化した。ただ、日経平均株価が強含んでおり、円売りがドルの下げを抑えた。
ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持し、目先の日本株の堅調地合いを見込んだ円売りが続く。中国株や欧米株式先物のプラス圏推移も円売りを支援しよう。ただ、ドル売り基調に変わりはなく、午後は108円割れの可能性もあろう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円03銭から108円27銭、ユーロ・円は121円60銭から121円84銭、ユーロ・ドルは1.1251ドルから1.1265ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・アサカ理研<5724>やソケッツ<3634>など、5銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは、ソフトバンクグループ<9984>、同2位はファナック<6954>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・NZ準備銀総裁補佐
「近い将来まで金利は現在の水準が維持されるだろう」
「中銀目標の達成のために状況の変化に対応すべき」
「必要なら一段の刺激策も検討」
【経済指標】
・豪・1-3月期GDP:前年比+7.8%(予想:+1.8%、10-12月期:+2.3%)
・中・5月財新サービス業PMI:52.7(予想:54.0、4月:54.5)
<国内>
・特になし
<海外>
・休場:シンガポール、インド(イスラム教断食明けのお祭り)
<HH>
・日経平均は6日ぶり大幅反発、政策期待高まるが戻り余地見極め
・ドル・円は下げ渋り、日本株高で108円台を維持
・値上がり寄与トップは、ソフトバンクグループ<9984>、同2位はファナック<6954>
■日経平均は6日ぶり大幅反発、政策期待高まるが戻り余地見極め
日経平均は6日ぶり大幅反発。392.10円高の20800.64円(出来高概算6億4000万株)で前場の取引を終えている。
4日の米株式市場でNYダウは大幅続伸。512ドル高と今年2番目の上げ幅を記録した。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が必要であれば利下げに動く可能性を示唆し、好感した買いが広がった。また、中国政府が米国との貿易摩擦に関し対話での解決を求め、摩擦激化への懸念も和らいだ。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで259円高からスタート。その後も上げ幅を広げ、ここまでの高値で前場を折り返した。東証1部の値上がり銘柄は全体の9割弱となっている。
個別では、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、ソニー<6758>、東エレク<8035>など売買代金上位は全般堅調。第一三共<4568>や安川電<6506>は5%前後の上昇となった。半導体や電子部品、設備投資関連株を中心に上げが目立った。レーティング引き上げ観測の邦チタニウム<5727>や大阪チタ<5726>、米社とのライセンス契約締結が材料視されたサンリオ<8136>は急伸し、双信電機<6938>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、売買代金上位ではファーストリテ<9983>と花王<4452>が逆行安。ファーストリテは5月の国内「ユニクロ」既存店売上高が2カ月連続の減収となった。また、同じく月次売上速報を発表したアダストリア<2685>や、前期決算が2ケタ減益となったアインHD<9627>が東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、全33業種がプラスとなり、非鉄金属、海運業、金属製品、機械、ガラス・土石製品などが上昇率上位だった。
前日までの5日間で850円あまり下落していた日経平均だが、本日は米株高を手掛かりに急反発する展開となった。世界経済の減速懸念が強まるなか、FRBによる金融緩和への期待が高まっている。市場はFRBの年内利下げをほぼ確実とみる。日本では夏の参院選を控え政策期待が高まる可能性があり、日米で「催促相場」の様相が強まることも想定される。懸案の通商摩擦を巡っては、中国が米国との対話姿勢を改めて示したほか、メキシコのロペスオブラドール大統領が米国による追加関税発動の期限より前に合意できるだろうなどと述べており、サプライチェーン(供給網)への影響に懸念が強まっていた自動車株を中心に輸出株や景気敏感株の買い戻しの動きが見られる。
とはいえ、日経平均が一段の戻りを見せるかについてはなお懐疑的な見方が多い。米中摩擦に関しては中国側が具体的な打開策を示したわけでなく、米国側の反応も見通せない。懸念が払拭されたとは言えない状況だ。また、米利下げ観測の拡大からドル・円は108円近辺と反発が鈍く、輸出企業の採算悪化懸念は拭えない。日経平均の目先の戻りに乗るかは慎重に判断する必要があるだろう。
■ドル・円は下げ渋り、日本株高で108円台を維持
5日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。米利下げ観測を背景にドル売り基調が続くなか、日本株高を受けた円売りでドルは108円台を維持した。
前日のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長による慎重な発言を受け年内利下げ観測が広がるなか、ドル・円は下落基調が鮮明となり108円付近まで軟化した。ただ、日経平均株価が強含んでおり、円売りがドルの下げを抑えた。
ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持し、目先の日本株の堅調地合いを見込んだ円売りが続く。中国株や欧米株式先物のプラス圏推移も円売りを支援しよう。ただ、ドル売り基調に変わりはなく、午後は108円割れの可能性もあろう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円03銭から108円27銭、ユーロ・円は121円60銭から121円84銭、ユーロ・ドルは1.1251ドルから1.1265ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・アサカ理研<5724>やソケッツ<3634>など、5銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは、ソフトバンクグループ<9984>、同2位はファナック<6954>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・NZ準備銀総裁補佐
「近い将来まで金利は現在の水準が維持されるだろう」
「中銀目標の達成のために状況の変化に対応すべき」
「必要なら一段の刺激策も検討」
【経済指標】
・豪・1-3月期GDP:前年比+7.8%(予想:+1.8%、10-12月期:+2.3%)
・中・5月財新サービス業PMI:52.7(予想:54.0、4月:54.5)
<国内>
・特になし
<海外>
・休場:シンガポール、インド(イスラム教断食明けのお祭り)
<HH>
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