*16:25JST 来週・再来週の相場で注目すべき3つのポイント:米12月FOMC議事要旨、日銀支店長会議、米雇用統計
■株式相場見通し
予想レンジ:上限40500円-下限39000円
27日の米国株式市場は下落。ダウ平均は333.59ドル安の42992.21ドル、ナスダックは298.33ポイント安の19722.03で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比90円安の40230円で取引を終えた。
大発会が1月6日となるため、例年よりも長い年末年始となるが、東京市場が休場となるこの期間に為替が大きく動くとの声は多い。休場のため参加者が少なく薄商いとなるほか、政府機関が休みのため政府・日本銀行による為替介入が実施しにくいことなどが理由として聞かれる。実際、2019年1月3日早朝には、アップル株の急落に伴いリスク回避の円買いドル売りが加速し、5分ほどで4円も急騰する場面が見られた。また、毎年恒例ではあるが、大発会以降の東京市場では、政府要人の年頭の挨拶や各メディアの特集記事なども材料視される可能性がある。大発会週の10日には1月限オプション特別清算指数(SQ値)が算出されるほか、米国では12月の雇用統計が発表される。日経平均が約5カ月ぶりの高値圏で推移しているなか、忙しい年明け相場となりそうだ。
2025年は石破政権が掲げる「防衛」「地方創生」の他、そろそろ近づきつつある「脱デフレ」に伴う内需関連など様々な投資テーマが挙げられるが、まずは1月20日に就任を迎えるトランプ米次期大統領の言動に注目が集まろう。2016年の1期目とは異なり、2期目の今回は任期が4年間と限られていることから、スタートからエンジン全開で政策を推し進める公算が大きい。既に、中国やカナダ、メキシコなどへの関税引き上げをSNSで公表しており、それなりの貿易摩擦が発生することは織り込み済みだ。一部試算では、関税引き上げによって自動車や食品加工業、電子・電機産業の輸出減が影響し、メキシコ、カナダ、中国のGDP押し下げ要因となり、世界全体では0.3%の押し下げとなるとのこと。
一方、日本はこれらの国に代わって米国への輸出が伸びる可能性があるため、GDPが0.2%ほど押し上げられるとの見方だ。カナダやメキシコに対する日本企業の輸出減少の可能性もあることで、日本への影響はトントンとなるかもしれないが、2024年にさえなかった自動車株が2025年の東京市場をけん引する可能性はある。
また、金融株の動向にも注目だ。1月の利上げ実施見通しは低下したが、日銀がいずれ利上げを実施するという見方は依然として強いことから、メガバンクや地銀、保険などは関心が向かいやすいと考える。時価総額が大きい金融株や自動車株が買われる相場展開となれば、値がさ半導体株がけん引した2024年とは異なり、2025年はTOPIXが相対的に強い地合いとなるかもしれない。
■為替市場見通し
来週・再来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期追加利下げ観測の後退を受け、米金利高・ドル高基調は継続。また、日本銀行の追加利上げは2025年3月以降になるとみられており、日米金利差を意識してリスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。重要なインフレ指標である米PCEコア価格指数はインフレ再加速の一服を示したが、12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利下げを急がない意向であることが示唆された。1月8日公表のFOMC議事要旨でそのことが明らかになれば金利高・ドル高基調を強める要因となりそうだ。
足元で発表された米経済指標は強弱まちまちながら、1月3日発表の12月ISM製造業景況指数と7日に発表される12月ISM非製造業景況指数が改善すれば景況感の回復を好感したドル買いも見込まれる。ただ、1月20日就任のトランプ次期大統領による政策方針や人事が注目され、ドルは買いづらい面もある。ウクライナ戦争や中東の緊張につながる次期政権のスタンスを市場が警戒した場合、リスク選好的なドル買いは後退するとみられる。
一方、日本銀行は今月開催の金融政策決定会合で金融政策の維持を決めた。11月消費者物価指数(CPI)コア指数はやや強い内容となったが、植田日銀総裁は追加利上げに慎重な姿勢を崩さず、円売りが弱まる状況ではないようだ。ただ、円安進行を懸念して日本の通貨当局(財務省)は円安牽制を一段と強める可能性がある。状況次第では為替介入が実施される可能性もあるので注意したい。
■来週・再来週の注目スケジュール
12月30日(月):大納会、製造業PMI(12月)、米・中古住宅販売成約指数(11月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(12月)など
12月31日(火):株式市場は休場、独・株式市場は休場、英・仏・株式市場は半日取引、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(10月)、米・FHFA住宅価格指数(10月)、中・製造業PMI(12月)、中・非製造業PMI(12月)など
1月1日(水):株式市場は休場(元日)、米・欧・英・中・香港・株式市場は休場など
1月2日(木):株式市場は休場、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・建設支出(11月)、中・財新製造業PMI(12月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(12月)など
1月3日(金):株式市場は休場、米・ISM製造業景況指数(12月)、独・失業率(失業保険申請率)(12月)など
1月6日(月):大発会、サービス業PMI(12月)、総合PMI(12月)、独・消費者物価指数(12月)、中・財新サービス業PMI(12月)、中・財新総合PMI(12月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(12月)、欧・ユーロ圏総合PMI(12月)など
1月7日(火):米・貿易収支(11月)、米・ISM非製造業景況指数(12月)、米・JOLT求人件数(11月)、欧・欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏CPI予想、欧・ユーロ圏失業率(11月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(12月)、中・外貨準備高(12月)、加・貿易収支(11月)など
1月8日(水):消費者態度指数(12月)、米・ADP全米雇用報告(12月)、米・消費者信用残高(11月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日会合分)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(12月)、欧・ユーロ圏景況感指数(12月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(11月)、独・製造業受注(11月)、豪・消費者物価指数(11月)など
1月9日(木):日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)(1月)、毎月勤労統計-現金給与総額(11月)、実質賃金総額(11月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・卸売在庫(11月)、中・消費者物価指数(12月、12日までに)、中・生産者物価指数(12月、12日までに)、独・鉱工業生産指数(11月)、独・貿易収支(11月)、豪・貿易収支(11月)、豪・小売売上高(11月)、欧・ユーロ圏小売売上高(11月)など
1月10日(金):景気一致指数(11月)、景気先行CI指数(11月)、米・非農業部門雇用者数(12月)、米・失業率(12月)、米・平均時給(12月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(1月)、スイス・失業率(12月)など
<YU>
予想レンジ:上限40500円-下限39000円
27日の米国株式市場は下落。ダウ平均は333.59ドル安の42992.21ドル、ナスダックは298.33ポイント安の19722.03で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比90円安の40230円で取引を終えた。
大発会が1月6日となるため、例年よりも長い年末年始となるが、東京市場が休場となるこの期間に為替が大きく動くとの声は多い。休場のため参加者が少なく薄商いとなるほか、政府機関が休みのため政府・日本銀行による為替介入が実施しにくいことなどが理由として聞かれる。実際、2019年1月3日早朝には、アップル株の急落に伴いリスク回避の円買いドル売りが加速し、5分ほどで4円も急騰する場面が見られた。また、毎年恒例ではあるが、大発会以降の東京市場では、政府要人の年頭の挨拶や各メディアの特集記事なども材料視される可能性がある。大発会週の10日には1月限オプション特別清算指数(SQ値)が算出されるほか、米国では12月の雇用統計が発表される。日経平均が約5カ月ぶりの高値圏で推移しているなか、忙しい年明け相場となりそうだ。
2025年は石破政権が掲げる「防衛」「地方創生」の他、そろそろ近づきつつある「脱デフレ」に伴う内需関連など様々な投資テーマが挙げられるが、まずは1月20日に就任を迎えるトランプ米次期大統領の言動に注目が集まろう。2016年の1期目とは異なり、2期目の今回は任期が4年間と限られていることから、スタートからエンジン全開で政策を推し進める公算が大きい。既に、中国やカナダ、メキシコなどへの関税引き上げをSNSで公表しており、それなりの貿易摩擦が発生することは織り込み済みだ。一部試算では、関税引き上げによって自動車や食品加工業、電子・電機産業の輸出減が影響し、メキシコ、カナダ、中国のGDP押し下げ要因となり、世界全体では0.3%の押し下げとなるとのこと。
一方、日本はこれらの国に代わって米国への輸出が伸びる可能性があるため、GDPが0.2%ほど押し上げられるとの見方だ。カナダやメキシコに対する日本企業の輸出減少の可能性もあることで、日本への影響はトントンとなるかもしれないが、2024年にさえなかった自動車株が2025年の東京市場をけん引する可能性はある。
また、金融株の動向にも注目だ。1月の利上げ実施見通しは低下したが、日銀がいずれ利上げを実施するという見方は依然として強いことから、メガバンクや地銀、保険などは関心が向かいやすいと考える。時価総額が大きい金融株や自動車株が買われる相場展開となれば、値がさ半導体株がけん引した2024年とは異なり、2025年はTOPIXが相対的に強い地合いとなるかもしれない。
■為替市場見通し
来週・再来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期追加利下げ観測の後退を受け、米金利高・ドル高基調は継続。また、日本銀行の追加利上げは2025年3月以降になるとみられており、日米金利差を意識してリスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。重要なインフレ指標である米PCEコア価格指数はインフレ再加速の一服を示したが、12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利下げを急がない意向であることが示唆された。1月8日公表のFOMC議事要旨でそのことが明らかになれば金利高・ドル高基調を強める要因となりそうだ。
足元で発表された米経済指標は強弱まちまちながら、1月3日発表の12月ISM製造業景況指数と7日に発表される12月ISM非製造業景況指数が改善すれば景況感の回復を好感したドル買いも見込まれる。ただ、1月20日就任のトランプ次期大統領による政策方針や人事が注目され、ドルは買いづらい面もある。ウクライナ戦争や中東の緊張につながる次期政権のスタンスを市場が警戒した場合、リスク選好的なドル買いは後退するとみられる。
一方、日本銀行は今月開催の金融政策決定会合で金融政策の維持を決めた。11月消費者物価指数(CPI)コア指数はやや強い内容となったが、植田日銀総裁は追加利上げに慎重な姿勢を崩さず、円売りが弱まる状況ではないようだ。ただ、円安進行を懸念して日本の通貨当局(財務省)は円安牽制を一段と強める可能性がある。状況次第では為替介入が実施される可能性もあるので注意したい。
■来週・再来週の注目スケジュール
12月30日(月):大納会、製造業PMI(12月)、米・中古住宅販売成約指数(11月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(12月)など
12月31日(火):株式市場は休場、独・株式市場は休場、英・仏・株式市場は半日取引、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(10月)、米・FHFA住宅価格指数(10月)、中・製造業PMI(12月)、中・非製造業PMI(12月)など
1月1日(水):株式市場は休場(元日)、米・欧・英・中・香港・株式市場は休場など
1月2日(木):株式市場は休場、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・建設支出(11月)、中・財新製造業PMI(12月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(12月)など
1月3日(金):株式市場は休場、米・ISM製造業景況指数(12月)、独・失業率(失業保険申請率)(12月)など
1月6日(月):大発会、サービス業PMI(12月)、総合PMI(12月)、独・消費者物価指数(12月)、中・財新サービス業PMI(12月)、中・財新総合PMI(12月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(12月)、欧・ユーロ圏総合PMI(12月)など
1月7日(火):米・貿易収支(11月)、米・ISM非製造業景況指数(12月)、米・JOLT求人件数(11月)、欧・欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏CPI予想、欧・ユーロ圏失業率(11月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(12月)、中・外貨準備高(12月)、加・貿易収支(11月)など
1月8日(水):消費者態度指数(12月)、米・ADP全米雇用報告(12月)、米・消費者信用残高(11月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日会合分)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(12月)、欧・ユーロ圏景況感指数(12月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(11月)、独・製造業受注(11月)、豪・消費者物価指数(11月)など
1月9日(木):日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)(1月)、毎月勤労統計-現金給与総額(11月)、実質賃金総額(11月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・卸売在庫(11月)、中・消費者物価指数(12月、12日までに)、中・生産者物価指数(12月、12日までに)、独・鉱工業生産指数(11月)、独・貿易収支(11月)、豪・貿易収支(11月)、豪・小売売上高(11月)、欧・ユーロ圏小売売上高(11月)など
1月10日(金):景気一致指数(11月)、景気先行CI指数(11月)、米・非農業部門雇用者数(12月)、米・失業率(12月)、米・平均時給(12月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(1月)、スイス・失業率(12月)など
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