地銀の預金流出不安の緩和や4月住宅着工件数の増加を受けた景気後退懸念の緩和が投資家心理を改善させた。また、バイデン大統領とマッカーシー下院議長らの債務不履行回避を確信しているとの発言も支援材料となった。ナスダック総合指数は+1.27%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+2.49%と大幅反発。米国株の大幅高を受けて日経平均は338.95円高からスタート。前日からさらに1円超進んだ為替のドル高・円安も追い風に値がさ株やハイテク株に強い買いが入り、一時30667.13円(573.54円高)まで上昇。一方、急ピッチの上昇に対する警戒感がくすぶるなか、その後30500円割れでのもみ合いが継続。ただ、昼頃からは再び騰勢を強め、終盤には改めて30600円台に乗せる場面も見られた。
大引けの日経平均は前日比480.34円高の30573.93円となった。東証プライム市場の売買高は14億2633万株、売買代金は3兆8007億円だった。セクターでは電気機器、精密機器、機械が上昇率上位に並んだ一方、電気・ガス、パルプ・紙、陸運が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の52%、対して値下がり銘柄は44%だった。
個別では、米SOX指数の大幅高などを材料にレーザーテック<6920>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>が連日で大幅高となり、ローム<6963>、TDK<6762>のハイテクも高い。ダイキン<6367>、信越化学<4063>など値がさ株も全般強い。円安を追い風にマツダ<7261>、デンソー<6902>が買われ、郵船<9101>、INPEX<1605>、コスモエネHD
<5021>、三井物産<8031>など資源関連も上昇。自社株買いが好感されたソニーG<6758>、キヤノン<7751>は大幅高。岸田首相が米インテルの幹部などと面談と伝わり、新光電工<6967>とイビデン<4062>が急伸。クレディセゾン<8253>による持分法適用会社化が伝わったスルガ銀<8358>も大きく上昇。Twitterと認定代理店契約を締結したピアラ
<7044>は一時ストップ高まで買われた。値上がり率上位には芝浦メカ<6590>、ローツェ<6323>、マルマエ<6264>の半導体関連が並んだ。
一方、ソフトバンクG<9984>はハイテク株高のなか逆行安。NTT<9432>、KDDI<9433>
の通信、JR東海<9022>、JR西日本<9021>の陸運のほか、日本郵政<6178>、アサヒGHD<2502>、エーザイ<4523>、花王<4452>などディフェンシブ系の一角が軟調。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関してネガティブな報道があった東京電力HD<9501>は大きく下落。サイバーAG<4751>は、提供しているゲームについて子会社が訴訟提起を受けたことが嫌気され大幅安となった。
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