東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が940を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、銀行、保険、鉱業、証券商品先物など12業種が上昇。一方、不動産、海運、サービス、機械など19業種が下落し、精密機器、医薬品は変わらず。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、NTTデータG<9613>、エーザイ<4523>、ソニーG<6758>が堅調だった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>が軟調だった。
前週末のNYダウの上昇を映して買い先行で始まったものの、買いは続かなかった。9日の国内メディアの報道で、日銀がマイナス金利政策の解除に向けて動き出すとの思惑から、長期金利が上昇したため、金利動向に敏感なグロース株中心に値を消す銘柄が目立ったほか、金利上昇による日米金利差縮小観測から円高が進んだことも自動車など輸出関連株の一角が売られた。ただ、心理的な節目である32500円を下回ると、押し目を拾う動きもみられ、こう着感の強い相場展開が続いた。
米国でのインフレ高止まりによる利上げ長期化懸念に加え、国内でも年内の金融政策修正への思惑が出始め、投資家は来週の日米の金融政策決定会合の動向に一段と関心を強めることになりそうだ。また、今週は米国で、13日に8月の消費者物価指数(CPI)、14日には8月の小売売上高が発表される。市場ではコアCPIの減速が見込まれているが、サービス業が依然として強いことを踏まえると、サービス価格は高止まりとなる可能性があるため警戒が必要だろう。米国経済のソフトランディング(軟着陸)への道筋を確認するまでは、不安定な値動きが続くことが想定される。
<CS>
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