昨年末はポジション調整に伴う手仕舞い売りが優勢となった一方、年明けは国際通貨基金(IMF)専務理事による世界経済見通しへの悲観的見解のほか、アップルやテスラの需要動向に対する懸念が投資家心理を悪化させた。一方、長期金利の低下や新年度入りに伴う新規投資が下支えした。ナスダック総合指数は−0.11%、−0.75%と続落。米国株の続落を受けて年明け大発会の日経平均は259.57円安からスタート。景気後退や為替の円高進行が警戒され、序盤から売りが先行、朝方に25661.89円(432.61円安)と本日の安値を付けた。その後はアジア市況の上昇なども拠り所に下げ止まったが、今晩の米ISM製造業景気指数や米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表を前に買い戻しは限られ、もみ合いが続いた。
大引けの日経平均は前日比377.64円安の25716.86円となった。東証プライム市場の売買高は12億4487万株、売買代金は2兆7629億円だった。セクターでは海運、鉱業、医薬品が下落率上位になった一方、銀行、保険、証券・商品先物取引の3業種のみが上昇となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の86%、対して値上がり銘柄は12%だった。
個別では、郵船<9101>や川崎汽船<9107>、商船三井<9104>の海運大手が揃って急落。INPEX<1605>、コスモエネHD<5021>、日本製鉄<5401>、三井物産<8031>、丸紅<8002>の資源関連が総じて下落しており、大阪チタ<5726>、東邦チタ<5727>のチタニウム関連は大幅安。キーエンス<6861>、HOYA<7741>、信越化学<4063>、ファーストリテ<9983>など値がさ株のほか、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、TDK<6762>、ローム<6963>、イビデン<4062>などのハイテク、エムスリー<2413>、ラクス<3923>、SHIFT
<3697>、マネーフォワード<3994>などのグロースも全般下落。為替の円高を嫌気し、マツダ<7261>、三菱自<7211>、SUBARU<7270>なども大きく下落した。目立った材料は確認されていないが、エーザイ<4523>、第一三共<4568>、アステラス製薬<4503>など医薬品が軒並み大幅安となった。
一方、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、みずほFG<8411>の銀行、第一生命HD<8750>、T&DHD<8795>の保険が大きく上昇。NTT<9432>、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>の通信大手のほか、ニトリHD<9843>などの円高メリット銘柄などディフェンシブ系の一角が堅調。ソシオネクスト<6526>はハイテク株安のなか逆行高。ソニーG<6758>は一部メディアにおいて、経営者が選ぶ今年の有望銘柄として4年連続で首位になったことが報じられ、買われた。政府が、電気自動車(EV)の高出力充電器の規制を緩和すると伝わり、東光高岳<6617>が急伸した。
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