kabukabumanさんのブログ
その⑫「底値(割安)の判断・情報の集め方」
第12回「底値(割安)の判断」 「情報の集め方」
◇底値の判断(割安度の見分け方)
「株は安く買って高く売るもの」などと言う人がいますが
そんなことが出来る人は紛れもない超能力者で
実際に底値で買えたとしたらそれはたまたま運が良かっただけに過ぎないと思います。
つまり底値を判断するのは現実的に無理だということです。
しかし底打ち反転した銘柄はチャートからある程度予測出来ますから決して運任せではありません。
ですから決して底値を見極めるのではなく底値を脱したと思われる局面を見極める
そう考える方が理に適っていると思います。
因みに割安度や買い場をチャートから判断する場合
株価水準は月足、トレンドは週足、買うタイミングは日足をそれぞれ参考にしますが
少なくとも年単位や月単位で相場環境は変化しますから
月足や週足を見る時は必ずその時々の地合いを考慮することが必要です。
因みに底値付近かな?と感じる銘柄
○需給の悪化で数ヶ月ダラダラ下続けた後に漸く下げ止まった銘柄
○一相場終わった後に株価が3分の1辺りまで下げた銘柄
<財務指標から見た割安度>
◇PER(株価収益率=株価÷EPS) → 収益から見た割安度
*16倍以上は外国人投資家が敬遠
◇PCFR(株価C.F倍率=株価÷一株当りのC.F) → キャッシュフローから見た割安度
*PERの短所を補完する指標
PERもPCFRも値が低いほど割安ですが
PCFRが低値でPERが高値の場合は設備投資を拡充した可能性があります。
つまり設備投資を行うと減価償却費を計上するため目先の利益は減少しますが
将来の事業拡大に繋がるので、このケースでPERは参考になりません。(PERの短所)
またPBRも割安度の目安ですが、資産価値の評価は簿価と実際の価値に差異が生あるため
個別銘柄の判断指標として適切とは言えません。
ですからPBRは、セクター全体、或は東証一部全銘柄といった
一グループの平均的な株価水準を判断する時に参考にすればいいと思います。
また余談ですが、割安株を特定する公式もあります。(参考までに計算してみると面白いかも)
① BPS + (EPS ×10) < 実際の株価 =割安
BPS + (EPS ×10) > 実際の株価 =割高
②(流動資産-流動負債)×2÷3÷発行済み株式数 < 実際の株価 であれば割安
*グレアムの計算式(流動資産を評価)
③n年後のEPS=現在のEPS×(1+現在のESP成長率)n
*ウォーレン・バフェットの計算式(EPSの成長率を評価)
但しバフェットの計算式は複雑な分析が必要なので簡単に計算することは出来ません。
<新興銘柄の割安度はPGEレシオが適している>
PEGレシオ(Price Earnings Growth Ratio)は株価の割安度を表す指標で
PERに企業の成長性を加味した割安度を表します。
http://www.world401.com/koudo/peg_ratio.html
因みに成長性とはEPSの拡大を意味しており
EPSに着目するという点ではウォーレン・バフェットの投資戦略と重なります。
ところで国内の新興企業は一般的に企業規模が小さいこともあり
技術力や製品力などに競合他社を上回る強みがあったり、オンリーワン企業である場合
将来利益が倍々ペース、もしくは一気に数倍跳ね上がる可能性を秘めています。
ですから現状でPER100倍の企業がPER5倍の企業よりさらに買われても不思議はないのですが
幾ら成長性が期待出来るとはいえ、PER50倍や100倍が妥当かどうかは分かりません。
無論人気の高い銘柄ほど株価がオーバーシュートし易いので
PER100倍、200倍という銘柄も少なくありませんが
高PERに違和感を覚えなくなると、とんでもない高値掴みをする可能性があるので要注意です。
そこで、こうした銘柄を売買する際の判断基準としてPEGが有効になると思うのですが
残念ながらPEGを表記しているサイトが国内にはありません。
*米国のヤフーファイナンスには表記されています
ヤフーファイナンス→http://finance.yahoo.com/
PEG例→http://screen.finance.yahoo.com/b?vw=5&b=1&s=nm&im=%5EDJI&db=stocks
そこで正確性にはやや欠けるかも知れませんが、以下の計算式で求めた数値が代用されています。
PEGレシオ= 今期PER
(今期経常増益率+来期経常増益率)×0.5
因みにPEGレシオは1~2が平均的、1以下が割安とされています。
◇情報の集め方
個人投資家の情報収集はスピード・量・質の何れに於いても機関投資家には見劣りします。
唯一優劣を付け難いのはチャート分析ですが、元々海外勢はチャートには無関心ですから
少しでも早く情報の核心に迫らなければ勝ち目が薄いことになります。
つまりマスコミ報道で知った情報は殆ど価値が無く
むしろ機関投資家にとって絶好の売り場になることが多いのです。
そこで個人の誰もが入手可能で、しかも細目に入手すべき情報を思い付くままに書き出してみます。
(但し中には少々不謹慎な方法もありますのであしからず)
◇決算書を隅々まで読む(決算の結果を表面上の数値だけで判断しない、他社比較の貴重な資料)
◇東証の開示情報にざっと目を通す(目に止まった情報は隅々まで読む)
◇有価証券報告書を読む(設備投資状況やステークホルダーの状況を確認する、他社比較の資料)
◇大量保有報告書を確認する(特にG.S・JPモルガン・ブラックロックなどの動向に注目)
◇東証の出来高、売買高の推移
◇東証空売り集計(東証空売り集計及び銘柄別空売り残高の推移)
◇東証空売り残高(銘柄別)
◇信用買い残、売り残(出来高や信用取り組みの推移を把握)
◇信用取引規制の確認(規制対象のうち監視銘柄は増担保解除予想日を毎日計算して置く)
◇ロイター、ブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナルなどに目を通す
◇世界の主な経済指標を確認
◇為替動向
◇CME及びSGX
◇ADRの確認
◇外資系及び国内大手証券の先物手口(トレーダーズウェブ)
◇チャートの確認(指数及び個別)
◇テクニカル指標の確認(PER、EPS、騰落レシオ・・・など)
◇レーティング
◇PTS
◇株価動意銘柄や出来高急増銘柄を監視して置く(Yahooファイナンス)
◇取引しているNET証券の情報サービスをフルに活用する
◇流行の把握に努める(商品やサービス)
◇話題に上っている企業や業種の関連企業をチェックする
◇熟知している企業や自分が身を置く業界に関連する銘柄はしっかり押さえる
(情報面で有利、自分の趣味や興味もフルに生かす、但し自社株はインサイダーに注意!)
◇英語が解かる人は深夜CNBCを視聴すると良い
日本企業の話題が出ることもあります(但し睡眠不足には要注意!)
◇様々な業界人が集う料理屋を探し常連客になる
(経験上、情報を入手し易いのは小料理屋が一番、勿論株取引をしていることは内緒)
◇証券マンと親しくなり飲ませて落とす
(軽そうな営業マンに目を付け、出来れば弱みを掴む=私が過去に試みた手口=半ば犯罪行為)
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