日経平均は続落、売り一巡後は39600円付近まで下げ幅縮小
前日16日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は231.49ドル高の44254.78ドル、ナスダックは52.69ポイント高の20730.49で取引を終了した。生産者物価指数(PPI)が予想を下回り、利下げ期待が再燃。トランプ大統領が近く連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長解任を検討しているとの報道を受けて相場は一時大幅下落に転じた。その後、大統領がインタビューで「議長解任する可能性は非常に低い」とこたえたため警戒感が後退、買戻しが強まってプラス圏を回復。終盤にかけて、金利安やハイテクの上昇がけん引した。
米株市場を横目に、本日の日経平均は171.38円安の39492.02円と続落して取引を開始。その後は下げ幅を縮小する展開となったが、プラス圏には浮上できず前場の取引を終了した。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数
(SOX指数)が反落したことが東京市場の半導体関連株などの株価の重しとなった。
また、外為市場で円安進行が一服しており、輸出株などの買い手控え要因となった。さらに、20日投開票の参院選や日米関税交渉などを巡る不透明感が引き続き意識され、投資家心理を重くした。
個別では、アドバンテ<6857>、東エレク<8035>などの半導体関連株が軟調に推移。また、三菱重工業<7011>、川崎重工業<7012>、フジクラ<5803>、リクルートHD<
6098>、トヨタ自動車<7203>、ファーストリテ<9983>などが下落した。ほか、クシュタールが買収提案を撤回すると発表してセブン&アイHD<3382>が大幅安、レーザーテック<6920>、キオクシアホールディングス<285A>、東レ<3402>などが値下がり率上位となった。
一方、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの一部の金融株が堅調に推移。また、サンリオ<8136>、日立<6501>、ソフトバンクグループ<9984>、ソニーグループ<6758>、NEC<6701>、メルカリ<4385>などが上昇した。ほか、舶用エンジンなどの売上増加期待で国内証券が格上げを行った三井E&S<7003>が急騰、gumi<3903>、ほくほくフィナンシャルグループ<8377>、Sansan<4443>などが値上がり率上位となった。
業種別では、繊維製品、鉱業、石油・石炭製品などが下落する一方で、その他製品、情報・通信業、医薬品などが上昇した。
後場の日経平均は、様子見ムードが続いてもみ合い展開が続くか。前日の米半導体株の下落を受けて国内の半導体関連株への売りが波及しているが、前場時点のプライム市場の値上がり銘柄数は55.5%となっており、情報・通信業や医薬品などセクターによっては物色が向かっていた。ただ、20日投開票の参院選情勢における与党苦戦報道や日米関税問題への不透明感は引き続き投資家心理の重しとなっており、腰の入った買いは限定的となろう。そのほか、週末には参議院選挙を挟む3連休が予定されており、週末にかけてのポジション整理の動きが中心となっていきそうだ。
<AK>
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