東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1100を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、海運、銀行、ゴム製品、ガラス土石など22業種が上昇。一方、精密機器、電気ガス、その他製品、電気機器など11業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、中外薬<4519>、ニトリHD<9843>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、テルモ<4543>、ファナック<6954>、TDK<6762>が軟調だった。
前日の米国市場は、バイデン米大統領が大統領選から撤退し、後継候補としてハリス副大統領を支持する意向を示したため、トランプ前大統領の優位が揺らぐ可能性もあるとして、対中規制への警戒感がやや和らぐ格好となった。エヌビディアなど半導体株が買われた流れを引き継ぐ格好から始まったが、米国の時間外取引でNXPセミコンダクターズが業績見通しが予想に届かなかったとして急落していたこともあり、本格化する決算を見極めたいとのムードも強く、買い一巡後は持ち高調整の動きが優勢となった。
また、自民党の茂木敏充幹事長が22日講演で、「日銀は段階的な利上げの検討も含め金融政策の正常化方針をもっと明確に打ち出す必要性がある」と語ったと伝わり、銀行など金融株に値を上げる銘柄が目立った。ただ、政策正常化への思惑から円相場が円高に振れているため、相場の重しになった面もある。本日は方向感の定まらない展開となったが、業績予想を上方修正した郵船<9101>が大幅に反発し、他の海運株も軒並み上昇するなど、投資家の関心は企業業績に移っており、決算を手掛かりとした個別対応に向かわせそうだ。
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