20日の米株式市場ではNYダウが551ドル安と大幅に続落。アップルを中心とした主要ハイテク株の売りが続き、ナスダック総合指数は節目の7000ptを下回った。10月住宅着工件数の予想下振れや小売大手のさえない決算、世界経済の減速懸念を背景としたNY原油先物相場の大幅下落も嫌気された。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで296円安からスタートすると、寄り付き直後には21243.38円(339.74円安)まで下落する場面があった。しかし、円相場の上昇一服や中国株の下げ渋りとともに、前引けにかけて下げ幅を縮小した。
個別では、任天堂<7974>やソニー<6758>が小安く、トヨタ自<7203>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>などはさえない。同業シャイアー買収について欧州委員会から承認を取得したと発表した武田薬<4502>は3%超安。社内基準未達の製品出荷が報じられた三菱電
<6503>、レーティング引き下げ観測のスクエニHD<9684>も下げが目立った。また、新株予約権付社債(CB)の発行を発表した高島屋<8233>が急落し、東証1部下落率トップとなった。一方、ソフトバンクG<9984>や村田製<6981>は堅調。カルロス・ゴーン会長逮捕に揺れる日産自<7201>も本日は反発した。米市場の流れを引き継いで東エレク<8035>、SUMCO<3436>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株は上げが目立つ。また、MDV<3902>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、全33業種がマイナスとなり、鉱業、証券、石油・石炭製品、卸売業、海運業が下落率上位だった。
日経平均は米株安を嫌気し、大幅続落してスタートしたものの、前場は下げ渋る展開となった。前日とほぼ同じ動きを見せている。前日のデータで算出した日経平均の予想PER12倍の水準はおよそ21200円。この「12倍」はアベノミクス相場では下限水準に位置するとあって、押し目買いが入りやすい局面だろう。
しかし、NY原油先物相場の大幅下落など世界経済の減速懸念を強める材料が相次いでおり、日経平均もこの水準から本格的なリバウンドを見せてくるか不安が残る。日米の祝日や月末の20カ国・地域(G20)首脳会議を控え、模様眺めムードも強まりやすい。中国市場に目を向けると上海総合指数の戻りが鈍く、後場の日経平均は再び軟調な展開となる可能性がある。当面は「PER12倍」での攻防が焦点となり、この水準を割り込めば相場の大きな節目となるか。
(小林大純)
<AK>
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