■今週の相場ポイント
1.日経平均は一時4万円大台回復も続かず2週続落
2.25年大発会は買い気盛り上がらず大幅安
3.半導体株買い戻しで反発、鴻海の決算が追い風
4.量子関連株急落、エヌビディアCEO発言きっかけ
5.週後半は軟調続く、決算受けファストリ株下落
■週間 市場概況
大発会を迎えた今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比704円(1.8%)安の3万9190円と、2週連続で下落した。
今週は年明け早々ややボラタイルな地合いだった。全体相場は今年最初の取引となった月曜に大幅安となった後、翌日火曜に大きく反発。マーケットに安心感が漂ったがそれも束の間、水曜には再び大きな下落に見舞われた。その後も週末金曜まで軟調展開が続いた。
大発会となった6日(月)の東京株式市場は大幅安。日経平均は朝方こそプラス圏で始まったが、その後は急速に値を消し次第安の展開となった。下げ幅は一時600円を超えた。前週から一足早く取引がスタートしていた米国株市場は先月からの調整ムードが拭えず、冴えない値動きに。米株市場の変調を横目に東京市場でも買い気が盛り上がらなかった。一転して7日(火)は急反発。主力株を中心に買い戻しの動きが出た。台湾の鴻海精密工業が旺盛なAIサーバー需要を背景とした好決算を発表したことも追い風となり、値がさの半導体関連株が買われ全体を押し上げた。日経平均は大幅高で4万円大台を回復した。しかし続かず、8日(水)は反落。前日の米株市場では堅調な経済指標を受けて長期金利が上昇し、これが警戒されハイテク株が売られた。東京市場にもこの流れが波及した。9日(木)も下落。引き続き米ハイテク株安の流れが重荷となった。米政府が半導体の対中輸出規制を強化するとの観測報道も伝わり、投資家心理を一段と冷やした。個別では直近まで人気化していた量子コンピューター関連株が急落。エヌビディア
■来週のポイント
来週はトランプ新政権の発足が近づくなか、米国のインフレ警戒感が相場を左右する展開になりそうだ。米重要指標が相次いで発表される週でもあり、米市場の値動きに注意したい。
重要イベントとしては、国内では特になし。海外では13日に発表される中国12月貿易収支、15日に発表される米国12月消費者物価指数、16日に発表される米国12月小売売上高、17日に発表される中国12月の小売売上高と鉱工業生産指数、中国10-12月期GDP、中国1-12月固定資産投資、米国12月の住宅着工件数と鉱工業生産指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(1月6日~1月10日)
【↓】 1月 6日(月)―― 大幅続落、金利上昇でリスク回避の売り優勢
日経平均 39307.05( -587.49) 売買高20億1845万株 売買代金 4兆4817億円
【↑】 1月 7日(火)―― 大幅反発、半導体関連が買われ4万円台回復
日経平均 40083.30( +776.25) 売買高19億6266万株 売買代金 4兆9382億円
【↓】 1月 8日(水)―― 反落、米株安を受けリスク回避の売り優勢
日経平均 39981.06( -102.24) 売買高18億5328万株 売買代金 4兆4624億円
【↓】 1月 9日(木)―― 続落、米半導体株安でリスクオフ継続
日経平均 39605.09( -375.97) 売買高18億4824万株 売買代金 4兆3226億円
【↓】 1月10日(金)―― 3日続落、ファストリ大幅安で指数を押し下げ
日経平均 39190.40( -414.69) 売買高17億3622万株 売買代金 4兆2835億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、32業種が値下がり
(2)値下がり率首位は東京海上 <8766> など保険。金融株は東京センチュ <8439> などその他金融、野村 <8604> など証券も大幅安
(3)内需株も安い。ファストリ <9983> など小売、大和ハウス <1925> など建設、JT <2914> など食料品は大きく値を下げた
(4)トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、オムロン <6645> など電機といった輸出株も下落
(5)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄といった景気敏感株も軟調
(6)33業種中唯一の値上がりは三菱UFJ <8306> など銀行
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(2) 量子コンピューター ── グーグル新型チップ発表を受けた物色続く
2(3) 人工知能
3(1) ペロブスカイト太陽電池
4(4) 半導体
5(5) データセンター
※カッコは前週の順位
株探ニュース
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