21日の米国市場でNYダウは298ドル高と続伸し、約2ヶ月ぶりに25000ドル台を回復した。
米中貿易交渉での合意を受けて投資家心理が改善し、終日堅調推移となった。ただ、東京市場では前日に貿易摩擦への懸念後退を織り込み済みであり、為替相場が円安一服していることもあって、本日の日経平均は23円高からスタートした。寄り付き後は戻り待ちの売りも出て、23000円を挟んだもみ合いが続いた。前場の上下の値幅は59円ほどにとどまった。
個別では、任天堂<7974>、マネックスG<8698>、ソニー<6758>、三菱UFJ<8306>などがさえない。ソニーは中期経営計画を発表したが、3%超下落する場面があった。このところ強い値動きだった東京電力HD<9501>だが、本日は3%超安と下げが目立つ。新潟県知事選を控え、原発再稼働を巡る不透明感が意識されたようだ。一方、武田薬<4502>、ファナック<6954>、村田製<6981>、ソフトバンクG<9984>などがしっかり。東エレク<8035>などの半導体関連株は米マイクロン・テクノロジーの株価上昇を受けて買いが先行したが、上値の重い展開だった。光ファイバー量産が報じられた日東電<6988>は2%超高。セクターでは、鉱業、保険業、金属製品などが下落。反面、不動産業、卸売業、陸運業などが小じっかり。
ペンス米副大統領が、北朝鮮の出方次第では来月予定される米朝首脳会談を取りやめる用意があるとの認識を示したことが伝わっている。北朝鮮情勢を巡る警戒感が再び高まっており、日経平均は前日に節目の23000円台を回復したことによる短期的な達成感も加わって、一段の上値追いの動きを期待しづらいだろう。注目されたソニーの中期経営計画も投資家心理を上向かせるまでには至っていない。反面、企業業績の上振れ期待は根強く、下値では押し目買いの動きも見られる。こうしたことが日経平均のこう着感につながっているようだ。
一方、新興市場ではマザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに4日続伸している。日経平均の上げ一服を受けて目先の利益を確定する売りも出ているようだが、日経平均がこう着感を強めているだけに、値幅取り狙いの物色は中小型株に向かいやすいだろう。目先は個人投資家による中小型株物色中心の相場展開も想定しておきたい。
(小林大純)
<AK>
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