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日経平均は3日ぶり反落、アジア市場の動向を注視

配信元:フィスコ
投稿:2019/03/05 12:17
 日経平均は3日ぶり反落。131.98円安の21690.06円(出来高概算5億6083万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式相場では、米中交渉の合意が近いとの報道を受けて朝方は買いが先行したものの、中国側からの声明に乏しく今後の動向を見極めたいとの思惑から、その後はマイナスに転じての推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円安の21685円となり、為替市場でも円安進行が一服した流れを受け、本日の東京市場は利益確定の動きが先行した。その後は、中国株をはじめとしたアジア市場のさえない出足も相まって、日経平均は21700円を割り込んで前引けを迎えた。

 セクターでは、鉱業、鉄鋼、機械、ゴム製品、証券・商品先物取引業が軟調な一方で、水産・農林業がプラス圏での推移となった。売買代金上位では、ピジョン<7956>が7%安となったほか、ソフトバンクG<9984>、武田薬<4502>、ソニー<6758>トヨタ自動車<7203>、SUMCO<3436>太陽誘電<6976>が軟調。一方で、ファーストリテ<9983>、ZOZO<3092>キーエンス<6861>、JT<2914>は堅調であった。前日に前1月期の決算を発表したピジョンの営業利益は196億円で前期比1.0%増となり、会社計画の204億円を下回った。11-1月期は前年同期比38.5%減と収益水準が大きく失速する形になったが、出荷抑制などによる中国事業の落ち込みが響いたとみられる。

 需給面では、8日に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が控えるなか、足元の短期筋主体の売り方による買い戻しの動きは継続している。市場では、この相場状況を勘案し、メジャーSQを睨んで相場水準に押し上げたいとの思惑から先物買いが入りやすくなっている点を指摘する向きが多く聞かれている。これに加え、米中貿易交渉の合意期待や中国の全国人民代表大会における減税やインフラ投資拡大といった景気刺激策に対する期待感も相場の下支え役として意識されているもよう。一方で、2月末から現在に至るまで、NT倍率は拡大傾向にあり、先物手動で225型の銘柄が押し上げられている側面は否めないだろう。加えて、今月にも開始されるとみられる日米のTAG(物品貿易協定)交渉において、自動車などの物品関税下げなどが議論される見通しであり、TOPIX型の代表格とされる自動車関連に対する警戒感は強まっている状況だ。これらを受け、足元で薄商いの目立つ東証1部の出来高をみても、物色の広がりには期待がしにくいだろう。

 本日はいったん利益確定の動きが先行した東京市場ではあるが、中国株がランチタイムにかけてプラスに転じる場面などもみられており、レンジを切り上げている225先物の動きには後場も注目しておきたいところである。
<AK>
配信元: フィスコ

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