東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1500に迫り、全体の8割超を占めた。セクター別では、空運を除く32業種が上昇。鉄鋼、卸売、輸送用機器、保険、電気ガスの上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、トヨタ<7203>、ソニーG<6758>、ファナック<6954>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、リコー<7752>、HOYA<7741>、エプソン<6724>が軟化した。
前日の米国市場は、CPIなどインフレ関連統計の発表があるため、まちまちの動きとなったが、アルファベットやエヌビディアなどグロース株が上昇した流れを受けて、値がさ株を中心に買い戻しの動きにつながった。また、好調な業績予想や株主還元策を発表した銘柄に投資マネーがシフトし、鉄鋼や海運、商社株も値を上げるものが目立った。また、ヘッジファンドなど短期筋が日本株を選好し始めており、「先物買いを入れたようだ」との声も聞かれ、先物高も寄与していた。
日経平均の騰落レシオは再び買われ過ぎを示唆する120%を超えてきている。ただ、これまでの累積的な利上げにより欧米景気の減速懸念が拭えないなか、海外投資家による日本株再評価の動きが出てきており、持たざるリスクが台頭してきているとの見方も広がっている。このため、押し目待ちに押し目なしの状況になりかねないとの声が漏れ始めている。国内では、トヨタやパナHD<6752>など主力企業の決算も相次ぐだけに、決算を受けた売買が主体となるなか、全般は29000円台を固める動きが続きそうだ。
<CS>
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