個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で10.6%安、フリー<4478>が同5.7%安と軟調。メルカリは8月12日、フリーは翌13日に決算発表しており、その後値を崩した。売買代金上位ではグローバルウェイ<3936>が荒い値動きとなり、結局週間で3割近い下落。6~7月上場のEnjin<7370>やラキール<4074>も売りに押された。また、サイジニア<6031>などが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、JMDC<4483>が同6.4%高、Appier Group<4180>が同7.4%高と堅調。FRONTEO<2158>などは好決算で賑わい、新サービス開始のインティメート・マージャー<7072>が上昇率トップとなった。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同4.9%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同8.5%安となる一方で、日本マクドナルドHD<2702>が同7.0%高、セリア<2782>が同5.4%高とまちまち。また、ネオマーケティング<4196>などが週間のジャスダック下落率上位に、カイノス<4556>などが上昇率上位にそれぞれ顔を出した。なお、3週間ぶりのIPOもあり、フューチャーリンクネットワーク<9241>は公開価格を74.7%、シイエヌエス<4076>は55.2%上回る初値を付けた。
来週の新興市場では、マザーズ指数の相対的な好パフォーマンスに期待しつつも、本格的な復調はなお遠いとみておきたい。今週末のマザーズ指数は主力IT株をけん引役に小反発したが、マザーズ全体としては値下がり銘柄の方が圧倒的に多かった。ハイテク株シフトの追い風もあって海外投資家の買い転換を感じさせる一方、個人投資家のセンチメントや資金回転の急改善までは期待しづらいようだ。世界経済や株式相場の先行き不安が強まるなか、価格変動リスクの大きい新興株を逆行的に買い上がろうとする動きも広がりを欠くだろう。
マザーズでは、主力株のなかでも長く調整を強いられ、足元復調傾向のAppierやJTOWER<4485>、あるいは値動きの強いJMDCあたりに安心感がある。ジャスダックでは、コロナ禍中も堅調な業績を上げている内需系のマクドナルドやセリアあたりが投資資金を集めやすい状況だろう。
IPO関連では、8月24日にタンゴヤ<7126>がジャスダックへ、27日にジェイフロンティア<2934>がマザーズへそれぞれ新規上場する。オーダースーツのタンゴヤは公開規模が非常に小さいが、健康食品等のジェイフロンティアはやや荷もたれ感のある水準。IPO銘柄の買いの勢いも鈍っており、引き続き動向を注視したい。なお、今週はシンプレクス・HD<4373>(9月22日、東証1部)など4社の新規上場が発表されている。
<FA>
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