米電気自動車テスラが決算を受けて時間外取引で下落していたことが重しになった。
ただ、為替の円安や3月訪日外客数の良好な結果が下支え。また岸田首相が海外からの投資促進策の一環として半導体分野のサプライチェーン確立の「アクションプラン」を策定する方針と伝わり、半導体関連株が持ち直したことで、日経平均は前場中ごろにはプラス圏に浮上。後場に入って28694円(87円高)まで買われたが、その後は騰勢一服となった。
大引けの日経平均は前日比50.81円高の28657.57円となった。東証プライム市場の売買高は9億2255万株、売買代金は2兆2428億円だった。セクターではパルプ・紙、小売、電気機器が上昇率上位となった一方、鉱業、海運、情報・通信が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の56%、対して値下がり銘柄は38%だった。
個別では、3月訪日外客数の結果を受けて高島屋<8233>、Jフロント<3086>、三越伊勢丹HD<3099>の百貨店が軒並み大幅に上昇。金利先高観の回復を背景にみずほFG<8411>、第一生命HD<8750>の銀行・保険も買われた。朝方売りが先行した東エレク<8035>は政策期待から切り返し、アドバンテスト<6857>、スクリン<7735>など共に大幅高、ソシオネクスト<6526>は連日で上場来高値を更新。キーエンス<6861>、安川電機<6506>、TDK<6762>のハイテクの一角も堅調。新たな株主還元方針を示したNOK<7240>は急伸。業績予想を上方修正した八洲電機<3153>も大幅高。ほか、自社株買いを発表したクボタ<6326>、新規買い推奨が確認された日本セラミック<6929>が買われた。
一方、蘭ASMLホールディングの1-3月期受注の減少が嫌気され、レーザーテック<6920>が半導体株の中では逆行安となった。三井物産<8031>、三菱商事<8058>、丸紅<8002>の商社や、郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、INPEX<1605>、コスモエネHD<5021>、DOWA<5714>など景気敏感株が軟調。ソフトバンクG<9984>、イビデン<4062>、太陽誘電<6976>のハイテクも冴えず、ほか、Sansan<4443>、メドレー<4480>、インフォマート<2492>などグロース(成長)株の下落が目立った。いちご<2337>は今期の減益見通しが嫌気されて大幅安となった。
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