26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は3日続伸、年初来高値更新も上値の重さ意識?
・ドル・円は上げ渋り、一時109円台も失速
・値上がり寄与トップはTDK<6762>、同2位はファナック<6954>
■日経平均は3日続伸、年初来高値更新も上値の重さ意識?
日経平均は3日続伸。138.93円高の23431.74円(出来高概算5億8000万株)で前場の取引を終えている。
25日の米株式市場でNYダウは190ドル高と続伸し、過去最高値を更新した。中国政府が「知的財産権の侵害に対する罰則を強化する」と発表し、米中貿易協議の進展期待から買いが先行。仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによる宝飾品ティファニーの買収など大型M&A(合併・買収)の発表が相次いだこともあり、終日堅調に推移した。為替相場は1ドル=109円近辺まで円安方向に振れており、本日の日経平均は米株高や円安を好感して158円高からスタート。「米中が第1段階の合意に向けた残る課題の対話を維持することで合意した」と報じられると一時23608.06円(315.25円高)まで上昇し、取引時間中の年初来高値を更新した。東証1部の値上がり銘柄は全体の5割強、対して値下がり銘柄は3割強となっている。
個別では、任天堂<7974>やソニー<6758>が堅調で、ファーストリテ<9983>は小じっかり。目標株価引き上げの動きが相次いでいる村田製<6981>は4%近く上昇し、太陽誘電<6976>やTDK<6762>といったその他電子部品株、SUMCO<3436>など半導体関連株の一角も上げが目立つ。旭化成<3407>は米製薬会社の買収を発表し、買いが先行した。中小型株ではWSCOPE<6619>やレーザーテク<6920>が売買代金上位にランクイン。レーザーテックは株式分割の実施を発表している。また、日立化成<4217>は日立<6501>が昭電工<4004>に同社株を売却と報じられ、東証1部上昇率トップとなっている。一方、昭電工は財務悪化への懸念から5%近い下落。ソフトバンクG<9984>は出資先の中国アリババ集団が香港取引所に上場したが、小幅安で前場を折り返した。また、公募増資の実施を発表したエアウォーター<4088>などが東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、電気機器、鉄鋼、非鉄金属などが上昇率上位。反面、空運業、食料品、鉱業などが下落率上位だった。
米中協議の進展期待につながる報道が相次ぎ、日経平均は上げ幅を一時300円超に広げ取引時間中の年初来高値を更新した。個別株の動向を見ても、投資判断や目標株価の引き上げが相次いでいる値がさの半導体関連株、電子部品株が買われ、相場のけん引役となっている。半導体は直近で韓国大手による微細化に対応した積極投資が観測されており、電子部品では積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需給改善が期待される。ともに次世代通信規格「5G」の恩恵にも期待がかかる。また、このところ事業構造改革や成長戦略推進、親子上場解消などを目的としたM&Aが活発化していることも市場の関心を集めている。コーポレートガバナンス(企業統治)の改善につながれば海外投資家の評価も高まるだろう。
ただ、日経平均は前場中ごろを過ぎ高値を付けると、やや伸び悩む展開となっている。ニュースに反応した先物買いが日経平均を押し上げたとみられるが、中国・上海株などは反応が鈍く、買いが続かなかったようだ。23500円水準では利益確定の売りが出やすいとの指摘もあり、むしろ上値の重さが意識された可能性がある。後場の日経平均はプラス圏でのもみ合いになるとみておきたい。なお、一部証券会社は欧米投資家が割安(バリュー)株に関心を寄せていると指摘している。11月に入り海外投資家の東証株価指数(TOPIX)先物の買い越し額が日経平均先物を上回っている点とも符合する。今後「TOPIX型、バリュー株」へのシフトの動きが強まることも想定される。
■ドル・円は上げ渋り、一時109円台も失速
26日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。米中協議の進展期待で一時109円台を回復したが、円売りは続かず再び108円台に失速した。
ドル・円は、日経平均株価の堅調地合いを背景に円売りが先行し、109円付近に上昇。その後、米中両国首脳が貿易協議に関し電話会談したとの報道で円売りが強まり、ドルは109円20銭まで強含む場面もあった。
ただ、電話協議での進展がなかったことがわかり、その後円売りは抑制。ランチタイムの日経平均先物は上げ幅を縮小し、日本株高継続を期待した円売りを弱めた。また、上海総合指数の反落も円売りの後退を支援した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円92銭から109円21銭、ユーロ・円は119円95銭から120円25銭、ユーロ・ドルは1.1007ドルから1.1016ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・トミタ電機<6898>、AKIBAホールディングス<6840>など、3銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはTDK<6762>、同2位はファナック<6954>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・パウエル米FRB議長
「金融政策は力強い労働市場を支えるのに適切」
「景気見通しに大きな修正が生じれば適切な対応も」
「現在の金融政策は経済指標が緩やかな成長に合致する限り引き続き適切となる」
・中国商務省
「劉鶴中国副首相と米国のライトハイザー通商代表部代表、ムニューシン財務長官が電話で会談した」
「両国は第1段階で残された問題について継続して協議することを確認」
・デベル豪準備銀副総裁
「国内賃金は低い伸びが定着する兆しで、より望ましい水準の回復には失業率の著しい低下が見込まれる」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
<HH>
・日経平均は3日続伸、年初来高値更新も上値の重さ意識?
・ドル・円は上げ渋り、一時109円台も失速
・値上がり寄与トップはTDK<6762>、同2位はファナック<6954>
■日経平均は3日続伸、年初来高値更新も上値の重さ意識?
日経平均は3日続伸。138.93円高の23431.74円(出来高概算5億8000万株)で前場の取引を終えている。
25日の米株式市場でNYダウは190ドル高と続伸し、過去最高値を更新した。中国政府が「知的財産権の侵害に対する罰則を強化する」と発表し、米中貿易協議の進展期待から買いが先行。仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによる宝飾品ティファニーの買収など大型M&A(合併・買収)の発表が相次いだこともあり、終日堅調に推移した。為替相場は1ドル=109円近辺まで円安方向に振れており、本日の日経平均は米株高や円安を好感して158円高からスタート。「米中が第1段階の合意に向けた残る課題の対話を維持することで合意した」と報じられると一時23608.06円(315.25円高)まで上昇し、取引時間中の年初来高値を更新した。東証1部の値上がり銘柄は全体の5割強、対して値下がり銘柄は3割強となっている。
個別では、任天堂<7974>やソニー<6758>が堅調で、ファーストリテ<9983>は小じっかり。目標株価引き上げの動きが相次いでいる村田製<6981>は4%近く上昇し、太陽誘電<6976>やTDK<6762>といったその他電子部品株、SUMCO<3436>など半導体関連株の一角も上げが目立つ。旭化成<3407>は米製薬会社の買収を発表し、買いが先行した。中小型株ではWSCOPE<6619>やレーザーテク<6920>が売買代金上位にランクイン。レーザーテックは株式分割の実施を発表している。また、日立化成<4217>は日立<6501>が昭電工<4004>に同社株を売却と報じられ、東証1部上昇率トップとなっている。一方、昭電工は財務悪化への懸念から5%近い下落。ソフトバンクG<9984>は出資先の中国アリババ集団が香港取引所に上場したが、小幅安で前場を折り返した。また、公募増資の実施を発表したエアウォーター<4088>などが東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、電気機器、鉄鋼、非鉄金属などが上昇率上位。反面、空運業、食料品、鉱業などが下落率上位だった。
米中協議の進展期待につながる報道が相次ぎ、日経平均は上げ幅を一時300円超に広げ取引時間中の年初来高値を更新した。個別株の動向を見ても、投資判断や目標株価の引き上げが相次いでいる値がさの半導体関連株、電子部品株が買われ、相場のけん引役となっている。半導体は直近で韓国大手による微細化に対応した積極投資が観測されており、電子部品では積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需給改善が期待される。ともに次世代通信規格「5G」の恩恵にも期待がかかる。また、このところ事業構造改革や成長戦略推進、親子上場解消などを目的としたM&Aが活発化していることも市場の関心を集めている。コーポレートガバナンス(企業統治)の改善につながれば海外投資家の評価も高まるだろう。
ただ、日経平均は前場中ごろを過ぎ高値を付けると、やや伸び悩む展開となっている。ニュースに反応した先物買いが日経平均を押し上げたとみられるが、中国・上海株などは反応が鈍く、買いが続かなかったようだ。23500円水準では利益確定の売りが出やすいとの指摘もあり、むしろ上値の重さが意識された可能性がある。後場の日経平均はプラス圏でのもみ合いになるとみておきたい。なお、一部証券会社は欧米投資家が割安(バリュー)株に関心を寄せていると指摘している。11月に入り海外投資家の東証株価指数(TOPIX)先物の買い越し額が日経平均先物を上回っている点とも符合する。今後「TOPIX型、バリュー株」へのシフトの動きが強まることも想定される。
■ドル・円は上げ渋り、一時109円台も失速
26日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。米中協議の進展期待で一時109円台を回復したが、円売りは続かず再び108円台に失速した。
ドル・円は、日経平均株価の堅調地合いを背景に円売りが先行し、109円付近に上昇。その後、米中両国首脳が貿易協議に関し電話会談したとの報道で円売りが強まり、ドルは109円20銭まで強含む場面もあった。
ただ、電話協議での進展がなかったことがわかり、その後円売りは抑制。ランチタイムの日経平均先物は上げ幅を縮小し、日本株高継続を期待した円売りを弱めた。また、上海総合指数の反落も円売りの後退を支援した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円92銭から109円21銭、ユーロ・円は119円95銭から120円25銭、ユーロ・ドルは1.1007ドルから1.1016ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・トミタ電機<6898>、AKIBAホールディングス<6840>など、3銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはTDK<6762>、同2位はファナック<6954>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・パウエル米FRB議長
「金融政策は力強い労働市場を支えるのに適切」
「景気見通しに大きな修正が生じれば適切な対応も」
「現在の金融政策は経済指標が緩やかな成長に合致する限り引き続き適切となる」
・中国商務省
「劉鶴中国副首相と米国のライトハイザー通商代表部代表、ムニューシン財務長官が電話で会談した」
「両国は第1段階で残された問題について継続して協議することを確認」
・デベル豪準備銀副総裁
「国内賃金は低い伸びが定着する兆しで、より望ましい水準の回復には失業率の著しい低下が見込まれる」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
<HH>
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