22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反発、買い一巡後はイベント控えた様子見ムード
・ドル・円はじり安、米大幅利下げ観測後退を受けた買いは一服
・値上がり寄与トップは資生堂<4911>、同2位は東エレク<8035>
■日経平均は反発、買い一巡後はイベント控えた様子見ムード
日経平均は反発。29.30円高の20647.87円(出来高概算4億6778万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、欧州株高や複数の小売企業決算が好感され、主要3指数は揃って反発をみせた。これにより、シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円高の20685円となり、本日の日経平均はこの水準を上回る格好で寄り付き、直後に上げ幅は一時100円を超える場面もみられた。一方、前場中ごろから開始されたアジア株式市場がまちまちとなるなか、朝方に見られた海外短期筋による指数先物に対する買い戻しの動きも限られ、日経平均は前引けにかけてじりじりと上げ幅を縮小する展開となった。なお、物色としては、米半導体SOX指数が強含み継続となるなか、東京市場でもハイテク株が全般堅調であったほか、後述する7月訪日外客数を好感したインバウンド関連などへの物色が目立った。
セクターでは、ゴム製品、化学、ガラス・土石製品、水産・農林業、輸送用機器が上昇。一方で、鉱業、パルプ・紙、鉄鋼、海運業、石油・石炭製品はさえない。指数インパクトの大きいところでは、資生堂<4911>や東京エレクトロン<8035>が2銘柄で日経平均を約27円分押し上げた。資生堂は、日本政府観光局(JNTO)が前日に発表した7月訪日外国人客数(推計値)が過去最高(単月)を更新したことで、インバウンド需要の拡大期待から関心が向かったようだ。売買代金上位では、日経平均採用期待の買いが続くZOZO<3092>が3.6%高になり、米同業キーサイトテクノロジーの好決算を受けたアンリツ<6754>や、国内証券による目標株価引き上げ観測の伝わったリクルートHD<6098>などのほか、KLab<3656>、ファナック<6954>、アドバンテスト<6857>、SCREEN<7735>、村田製作所<6981>、スズキ<7269>が上昇。一方、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、キーエンス<6861>などはさえない。
前日の米国市場で発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、海外市場は大きな変動をみせていないこともあり、本日の東京市場はひとまず米国株高を素直に好感する流れとなった。しかし、朝方の買い一巡後は、23日のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長講演の内容を見極めたいとのムードが根強く、為替市場でもドル高・円安が一服しており、全般様子見ムードが強まっている。
トランプ大統領が、対中制裁関税「第4弾」を課す計画を発表し、8月半ばにかけての日本株の調整局面となったが、この時期からの日経平均の価格帯別売買高における商いが集中しているレンジは20500円に位置しており、週初から概ねこの水準を終値ベースでキープしながら推移している点は、ひとまず安心感であろう。一方、東証株価指数(TOPIX)の同レンジは1500ptに位置しており、前述したイベントを前にこの水準を突破するシナリオは考えにくいだろう。また、前引け時点の東証1部の値上がり数は全体の45%に留まっており、物色の広がりにも期待しにくい。後場にかけても、レーティング観測銘柄やインバウンド関連株への見直しのほか、信用売りが溜まっていた銘柄に対するカバーの動きがメインとなってくるだろう。
■ドル・円はじり安、米大幅利下げ観測後退を受けた買いは一服
22日午前の東京市場でドル・円は弱含み。米国の大幅利下げ観測の後退を受けたドル買いは一服し、正午にかけて値を下げる展開となった。
前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30-31日開催分)の議事要旨から今後の大幅利下げ観測が弱まり、ドル・円は朝方から106円50銭付近で推移。ただ、日本株の上げ幅縮小で円売りは後退した。
足元では米10年債利回りが徐々に水準を切り下げ、ややドル売り方向に振れている。また、米株式先物の軟調地合いもドル売り要因。ランチタイムの日経平均先物はプラス圏を維持するものの、中国株安が円売りを弱めそうだ。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円43銭から106円65銭、ユーロ・円は118円02銭から118円26銭、ユーロ・ドルは1.1085ドルから1.1092ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・サンセイ<6307>、ゼロ<9028>がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは資生堂<4911>、同2位は東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30-31日会合分)
「7月の利下げは成長減速、リスク管理、低インフレが理由」
「多くのメンバーがリスクの中、柔軟性が必要と主張」
「サイクル半ばの調整と大半が判断」
「世界経済の成長の弱さが著しいリスクに」
・トランプ米大統領
「米国の経済は非常に強く、今のところ給与税の減税は必要ない」
「FRBは利上げを過剰に速いペースで激しく実施した」
「米国は中国とおそらく貿易に関して合意するだろう」
「キャピタルゲイン税の速やかな引き下げは計画していない」
【経済指標】
米・7月中古住宅販売件数:542万戸
(予想:540万戸、6月:529万戸←527万戸)
カナダ・7月消費者物価指数:前年比+2.0%
(予想:+1.7%、6月:+2.0%)
<国内>
・13:30 6月全産業活動指数(前月比予想:-0.8%、5月:+0.3%)
<海外>
・16:30 独・8月製造業PMI速報値(予想:43.0、7月:43.2)
・16:30 独・8月サービス業PMI速報値(予想:54.0、7月:54.5)
・米カンザスシティー連銀主催年次シンポジウム(ジャクソンホール、24日まで)
<HH>
・日経平均は反発、買い一巡後はイベント控えた様子見ムード
・ドル・円はじり安、米大幅利下げ観測後退を受けた買いは一服
・値上がり寄与トップは資生堂<4911>、同2位は東エレク<8035>
■日経平均は反発、買い一巡後はイベント控えた様子見ムード
日経平均は反発。29.30円高の20647.87円(出来高概算4億6778万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、欧州株高や複数の小売企業決算が好感され、主要3指数は揃って反発をみせた。これにより、シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円高の20685円となり、本日の日経平均はこの水準を上回る格好で寄り付き、直後に上げ幅は一時100円を超える場面もみられた。一方、前場中ごろから開始されたアジア株式市場がまちまちとなるなか、朝方に見られた海外短期筋による指数先物に対する買い戻しの動きも限られ、日経平均は前引けにかけてじりじりと上げ幅を縮小する展開となった。なお、物色としては、米半導体SOX指数が強含み継続となるなか、東京市場でもハイテク株が全般堅調であったほか、後述する7月訪日外客数を好感したインバウンド関連などへの物色が目立った。
セクターでは、ゴム製品、化学、ガラス・土石製品、水産・農林業、輸送用機器が上昇。一方で、鉱業、パルプ・紙、鉄鋼、海運業、石油・石炭製品はさえない。指数インパクトの大きいところでは、資生堂<4911>や東京エレクトロン<8035>が2銘柄で日経平均を約27円分押し上げた。資生堂は、日本政府観光局(JNTO)が前日に発表した7月訪日外国人客数(推計値)が過去最高(単月)を更新したことで、インバウンド需要の拡大期待から関心が向かったようだ。売買代金上位では、日経平均採用期待の買いが続くZOZO<3092>が3.6%高になり、米同業キーサイトテクノロジーの好決算を受けたアンリツ<6754>や、国内証券による目標株価引き上げ観測の伝わったリクルートHD<6098>などのほか、KLab<3656>、ファナック<6954>、アドバンテスト<6857>、SCREEN<7735>、村田製作所<6981>、スズキ<7269>が上昇。一方、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、キーエンス<6861>などはさえない。
前日の米国市場で発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、海外市場は大きな変動をみせていないこともあり、本日の東京市場はひとまず米国株高を素直に好感する流れとなった。しかし、朝方の買い一巡後は、23日のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長講演の内容を見極めたいとのムードが根強く、為替市場でもドル高・円安が一服しており、全般様子見ムードが強まっている。
トランプ大統領が、対中制裁関税「第4弾」を課す計画を発表し、8月半ばにかけての日本株の調整局面となったが、この時期からの日経平均の価格帯別売買高における商いが集中しているレンジは20500円に位置しており、週初から概ねこの水準を終値ベースでキープしながら推移している点は、ひとまず安心感であろう。一方、東証株価指数(TOPIX)の同レンジは1500ptに位置しており、前述したイベントを前にこの水準を突破するシナリオは考えにくいだろう。また、前引け時点の東証1部の値上がり数は全体の45%に留まっており、物色の広がりにも期待しにくい。後場にかけても、レーティング観測銘柄やインバウンド関連株への見直しのほか、信用売りが溜まっていた銘柄に対するカバーの動きがメインとなってくるだろう。
■ドル・円はじり安、米大幅利下げ観測後退を受けた買いは一服
22日午前の東京市場でドル・円は弱含み。米国の大幅利下げ観測の後退を受けたドル買いは一服し、正午にかけて値を下げる展開となった。
前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30-31日開催分)の議事要旨から今後の大幅利下げ観測が弱まり、ドル・円は朝方から106円50銭付近で推移。ただ、日本株の上げ幅縮小で円売りは後退した。
足元では米10年債利回りが徐々に水準を切り下げ、ややドル売り方向に振れている。また、米株式先物の軟調地合いもドル売り要因。ランチタイムの日経平均先物はプラス圏を維持するものの、中国株安が円売りを弱めそうだ。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円43銭から106円65銭、ユーロ・円は118円02銭から118円26銭、ユーロ・ドルは1.1085ドルから1.1092ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・サンセイ<6307>、ゼロ<9028>がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは資生堂<4911>、同2位は東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30-31日会合分)
「7月の利下げは成長減速、リスク管理、低インフレが理由」
「多くのメンバーがリスクの中、柔軟性が必要と主張」
「サイクル半ばの調整と大半が判断」
「世界経済の成長の弱さが著しいリスクに」
・トランプ米大統領
「米国の経済は非常に強く、今のところ給与税の減税は必要ない」
「FRBは利上げを過剰に速いペースで激しく実施した」
「米国は中国とおそらく貿易に関して合意するだろう」
「キャピタルゲイン税の速やかな引き下げは計画していない」
【経済指標】
米・7月中古住宅販売件数:542万戸
(予想:540万戸、6月:529万戸←527万戸)
カナダ・7月消費者物価指数:前年比+2.0%
(予想:+1.7%、6月:+2.0%)
<国内>
・13:30 6月全産業活動指数(前月比予想:-0.8%、5月:+0.3%)
<海外>
・16:30 独・8月製造業PMI速報値(予想:43.0、7月:43.2)
・16:30 独・8月サービス業PMI速報値(予想:54.0、7月:54.5)
・米カンザスシティー連銀主催年次シンポジウム(ジャクソンホール、24日まで)
<HH>
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