1月31日の米株式市場でNYダウは15ドル安と3日ぶりに反落。前の日の大幅高を受けて利益確定売りが優勢となったほか、決算が嫌気された化学のダウ・デュポンなどが大きく売られた。反面、市場予想を上回る決算となったフェイスブックが大きく買われるなどし、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1%を超える上昇。本日の東京市場でも米ハイテク株高を好感した買いが先行し、日経平均は23円高からスタートすると、前場中ごろには20929.63円(156.14円高)まで上昇する場面があった。ただ、1月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が約3年ぶりの低水準となったことが伝わると急速に上げ幅を縮め、一時マイナスに転じた。東証1部の値下がり銘柄は全体の5割強となっている。
個別では、村田製<6981>が売買代金2位で8%を超える上昇。堅調な第3四半期決算を受けて悲観的な見方が後退したようだ。太陽誘電<6976>が8%近く上昇するなど、他の電子部品株にも買いが波及した。業績予想を下方修正したファナック<6954>だが、会社側が需要の下げ止まりを強調していることを受けて買い優勢となった。アンリツ<6754>は引き続き活況で大幅続伸。その他売買代金上位ではファーストリテ<9983>などが堅調で、ソニー<6758>や武田薬<4502>は小幅に上昇した。また、前期業績の上振れや増配、自社株買い実施が好感された小林製薬<4967>はストップ高水準まで買われた。一方、売買代金トップの任天堂<
7974>は9%を超える下落。ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売予想を下方修正している。業績下方修正のZOZO<3092>も8%安と急落。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ソフトバンク<9434>などがさえない。また、メガチップス<
6875>がストップ安水準で前場を折り返した。セクターでは、精密機器、医薬品、電気機器などが上昇率上位。反面、その他製品、海運業、証券などが下落率上位だった。
前場の日経平均は米ハイテク株高を好感して一時3ケタの上げ幅となったものの、中国の経済指標悪化を受けて急失速した。ただ、中国・上海総合指数が比較的堅調に推移しており、後場の日経平均は再び強含む場面も出てきそうだ。前日は10-12月期決算発表の第1弾のピークで、村田製やファナックが買われる一方、任天堂、東エレク、コマツ<6301>が売られるなど反応はまちまちとなっている。ただ、決算発表前は全般に手控えムードが強かっただけに、決算内容に安心感のある銘柄には積極的な買いが向かいそうだ。
新興市場ではマザーズ指数が反落。本日もサンバイオ<4592>がストップ安水準まで気配値を切り下げているため、やむを得ない面はあるだろう。ただ、ジャスダック市場では業績の底打ち感が意識されたセリア<2782>やセプテーニHD<4293>が大幅高となっている。
サンバイオ急落の影響は小さくないだろうが、個人投資家の物色意欲の根強さが窺える。
(小林大純)
<AK>
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