22日の米株式市場でNYダウは17ドル高と小幅に反発。決算発表シーズン中であり、米中通商協議の行方を見極めたいなどとの思惑もあって上値が重かった。しかし、目標株価やレーティングの引き上げを受けてアップルや半導体関連株が買われた。本日の日経平均はNYダウと同様に8円高と小高くスタートしたが、半導体関連株や電子部品株、ソフトバンクG<9984>などの値がさ株に買いが入り、上げ幅を広げる展開となった。朝方に一時21637.39円(220.60円高)まで上昇すると、その後も高値圏で堅調に推移した。東証1部の値上がり銘柄は全体の8割弱、対して値下がり銘柄は1割強となっている。
個別では、ソフトバンクGが売買代金トップで4%近い上昇。傘下の米スプリントと同業TモバイルUSの合併計画について、米司法省が24日にも承認の公算などと海外メディアが報じている。東エレク<8035>などの半導体関連株、村田製<6981>などの電子部品株、安川電<
6506>などの設備投資関連株も堅調ぶりが目立つ。その他売買代金上位では任天堂<7974>やソニー<6758>がしっかり。決算発表銘柄ではコーエーテクモ<3635>が買われた。また、経営再建中の曙ブレーキ<7238>は銀行団への債権放棄を要請したと発表し、東証1部上昇上位に顔を出している。一方、ファーストリテ<9983>とトヨタ自<7203>は利益確定売りに押され小安い。堅調な決算だったオービック<4684>は朝高後にマイナス転換。前日の取引時間中に決算発表したOBC<4733>は急反落し、東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、海運業、繊維製品、精密機器などが上昇率上位で、その他も全般堅調。証券、電気・ガス業、鉄鋼の3業種のみ下落した。
先週18日に一時21000円割れまで下落した日経平均だが、その後急ピッチのリバウンドで
21000円台後半に戻してきた。日足チャート上では、21500円近辺に収れんしつつある25日、75日、200日の各移動平均線を一気に上抜けした格好だ。米国で半導体関連株にレーティング引き上げの動きがあったことに加え、トランプ米大統領がハイテク企業経営者との会合で中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への販売許可に同意したなどと報じられており、景気敏感株に買いが広がっている。ソフトバンクGも米子会社を巡る思惑から前日に続き買われており、日経平均を押し上げた。
ただ、日経平均は7月前半のもち合い水準を、東エレクなどは米中摩擦の懸念が強まった5月初め以来の水準を回復してきた。本日前場の東証1部売買代金はおよそ8000億円と、依然として売買は低調。明日24日からいよいよ信越化<4063>、日本電産<6594>、キヤノン<7751>などを皮切りに4-6月期決算発表が本格化するため、実際の業績動向や事業環境に関する経営者のコメントを見極めたいとのムードが強まるだろう。なお、米中が来週、閣僚級の貿易協議を再開することを検討しているなどと報じられており、こちらの動向も注視したい。
(小林大純)
<AK>
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