東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1000を超え、全体の約6割を占めた。セクター別では、繊維製品、陸運、石油石炭など8業種が上昇。一方、精密機器、証券商品先物、電気機器、機械など25業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、エーザイ<4523>、TOTO<5332>、キッコーマン<2801>、花王<4452>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>が軟調だった。
前日の米国市場では、主要株価指数が下落した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が「インフレ率が横ばいで推移し続けるなら、利下げを行う必要があるのか疑問視される」と発言したことが早期利下げ観測の後退につながったほか、イランがシリアにおけるイラン大使館の攻撃への報復を行うとの宣言が地政学リスクの高まりを誘発させ、リスクオフの動きが強まった。東京市場でもこの流れが波及し、取引開始直後から広範な銘柄に売りが先行。日経平均下げ幅は一時1000円に迫る場面があった。また、円相場が一時150円台へと円安が一服したことが輸出採算の悪化につながった。
日経平均は下落したが、需給悪化の最悪期は脱しつつあるとの指摘もある。新年度入りとなった今週は期初の益出し売りに見舞われたほか、中東情勢の緊迫化、米利下げ観測の後退などが重なったためだ。機関投資家の益出し売りはほぼ峠を越えたとみていいだろう。また、原油価格の上昇によるインフレ再加速への懸念も10日に予定される米消費者物価指数(CPI)が前月との比較で鈍化が想定されており、インフレ懸念も落ち着きを取り戻すきっかけになるとの見方もある。
<CS>
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