個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>が週間で2.6%高。前の週末に発表した第1四半期決算は、2四半期連続で営業黒字を確保した。SaaS企業のフリー<4478>は同9.2%高、ラクス<3923>は同11.5%高となり、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を意識した物色も再び活発となった。売買代金上位ではJストリーム<4308>や直近上場のプレミアアンチエイジング<4934>、Retty<7356>、カラダノート<4014>などが大幅高。また、リアルワールド<3691>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、Sansan<4443>は同1.0%安となり、プロパティデータバンク<4389>やファンデリー<3137>が下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同4.1%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同7.8%高となった。ワークマンは10月既存店売上が好調で、ハーモニックは産業用ロボット向けの需要回復期待が高まったようだ。売買代金上位ではテラ<2191>などが買われ、グローム・HD<8938>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、前の週に急伸したセプテーニ・HD<4293>はやや利益確定売り優勢となり、テクノホライゾン<6629>やジーダット<3841>が下落率上位に顔を出した。
来週の新興市場では、マザーズ指数の一段の上昇に期待したい。今週末にかけて日経平均が終値ベースでバブル崩壊後の戻り高値を更新し、投資資金が主力大型株に向かう場面もあった。しかし、米選挙情勢を巡っては「バイデン大統領、ねじれ議会誕生」との見方が強まっており、金融市場では「株高、米長期金利低下、円高」が進むとみられている。新型コロナ再拡大に伴う主要国での追加金融緩和の思惑なども絡み、再び新興ハイテク株に投資資金が向かう環境となりつつある。
来週は、11月9日にワークマン、10日にJTOWER<4485>、11日にフリー、AI inside<4488>、そーせいグループ<4565>、ハーモニック、12日に日本マクドナルドHD<2702>、ラクス、ユーザベース<3966>、NITTOKU<6145>、13日にカオナビ<4435>、ギフティ<4449>、BASE<4477>、メドレー<4480>、フェローテックHD<6890>などが決算発表を予定している。先に業績上方修正を発表したラクスは足元で再び上場来高値(株式分割考慮後)に迫る動き。社会全体のデジタル化進展を背景に、他の新興ハイテク株も期待をつなぐ好決算となりそうだ。
IPO関連では、来週も新規上場企業こそないものの、11月案件のブックビルディングが進行する。アララ<4015>が11月10日、MITHD<4016>が12日、ジオコード<7357>が13日まで。月間5社と件数が少ないため、忘れず対応しておきたい。
<FA>
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