12日の米国株式市場のダウ平均は173.73ドル安(-0.51%)、ナスダック総合指数は85.46ポイント安(-0.63%)、S&P500は27.34ポイント安(-0.62%)とそれぞれ反落。9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなったため高インフレ長期化への懸念が広がった。また、30年債入札の低調な結果を受けて金利が急伸すると相場は大きく下落。主要株式指数がそろって下落した米株市場を横目に、13日の日経平均は166.27円安からスタート。朝方に下げ幅を縮小した後は一時プラス圏に浮上するも買いは続かず、こう着感の強い展開となった。
個別では、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株が軟調に推移。また、レーザーテック<6920>、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、ディスコ<6146>、ソニーG<6758>などが下落した。第1四半期大幅減益決算がネガティブインパクトとなった三光合成<7888>がストップ安、決算サプライズないが米国事業の不透明感などが残った7&iHD<3382>が大幅下落となった。ほか、ブックオフGHD<9278>、セントラル警備保障<9740>、サーバーワークス<4434>が下落率上位となった。
一方、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、キーエンス<6861>、ファナック<
6954>、SMC<6273>なども上昇した。そのほか、今期の連続2ケタ増益見通しなどを好感されたマニー<7730>、通期予想は想定以上の上方修正となった竹内製作所<6432>
が大幅高となっている。明光ネットワークジャパン<4668>、PRTIMES<3922>などが値上がり率上位となった。
セクターでは、その他製品、ゴム製品、輸送用機器が下落率上位に並んでいる。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の8%、対して値下がり銘柄は90%となっている。
日経平均株価は昨日までの3営業日で1500円近く上昇しており、本日は短期的な戻り待ちの売りが出やすかった。また、米9月CPIが予想をやや上回る伸びとなったほか、米長期金利が一時4.7%まで上昇するなど、国内の投資家心理にネガティブに働いている可能性がある。一方、昨日はダウ平均が一時350ドル近く下落した後に下げ幅を縮める展開となったことが東京市場で一定の安心感となった。さらに、国内で小売り・サービスを中心とする消費関連株の四半期決算発表がピークとなっており、好業績銘柄への物色意欲が相場の支えとなっている。
なお、米9月の消費者物価指数は前年同月比3.7%上昇(予想3.6%上昇)と予想をやや上回ったものの8月から横ばいとなった。変動が大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは同4.1%上昇と8月の4.3%上昇から6か月連続で伸びは鈍化した。全体的には、エネルギーコストが押し上げたほか、住居費や自動車保険、スポーツイベントのチケットといった娯楽サービスの価格上昇も反映された。直近では、FRB関係者のハト派発言が注目されるようになったが、9月のFOMCでは19人の政策決定当局者のうち12人が年内の追加利上げを支持する意向を示していることもあり、今後の姿勢に再度注目が集まろう。そのほか、CME FedWatch ツールでは、11月会合での利上げ確率は9.8%とほとんどが政策金利の据え置きを想定している。
さて、後場の日経平均はマイナス圏での軟調推移が続くか。中国や香港指数などのアジア市況も軟調に推移しており、米株価指数先物の値動きに注目しておきたいところ。東証業種別株価指数も全業種が前日比で下落しており、好決算を発表した個別株中心に物色が続きそうだ。テクニカル的には、25日移動平均線上方で推移しており、後場に同線で踏みとどまれるか注視しておきたい。一方で、東証マザーズ指数は朝方に節目の700ptを下回ると大きく下げ幅を広げており、米長期金利の上昇がバリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株の重しとなっている。後場では新興株も一部の好決算銘柄に物色が継続するか注目が集まりそうだ。
(山本泰三)
<AK>
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