個別では、サンバイオ<4592>が週間で9.7%高となり、マザーズ時価総額トップに躍り出た。その他時価総額上位もMTG<7806>が同3.6%高、ミクシィ<2121>が同8.9%高と全般堅調だったが、メルカリ<4385>は同0.9%安とさえなかった。好業績銘柄に見直し買いが入り、ティーケーピー<3479>は同17.8%高、ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>は同19.2高となった。また、前の週から人気化したアクトコール<6064>や直近IPO銘柄のVALUENEX<4422>が活況を見せ、週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。一方、JMC<5704>やフーバーブレイン<3927>が下落率上位だった。ジャスダック主力もセリア<2782>が同3.4%高となるなど全般堅調で、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同11.0%高とリバウンドを見せた。UTグループ<2146>も同16.4%高と上げが目立った。また、フジタコーポレーション<3370>やスリー・ディー・マトリックス<7777>が週間のジャスダック上昇率上位となった。フジタコーポはカジノ関連として物色が向かい、3DMは止血剤を巡る観測報道が買い材料視された。反面、フルヤ金属<7826>やAKIBAHD<6840>が下落率上位だった。IPOでは、11月28日上場の霞ヶ関キャピタル<3498>が公開価格の2倍に迫る初値を付けた。
今週の新興市場は、上値の重い展開となりそうだ。週末の20カ国・地域(G20)首脳会議や同時に行われる米中首脳会談を無事通過すれば、あく抜け感から中小型株にも物色が向かう可能性はある。しかし、過去最大級の案件となるソフトバンク<9434>を中心に12月IPOのブックビルディング(BB)が本格化するため、個人投資家主体の新興市場では換金売りが出やすいだろう。マザーズ指数の1000pt台回復で短期的な達成感もある。
先週は万博・カジノ関連株や無人・セルフレジ関連株が動意を見せ、テーマ株物色が活発となっている。週末には幼児教育・保育無償化やICタグ普及を巡る報道が見られ、幼児活動研究会<2152>やイトクロ<6049>、カーディナル<7855>といった関連銘柄の動向が注目されそうだ。なお、今週は12月7日にソフトウェア・サービス<3733>、HEROZ<4382>、日本スキー場開発<6040>、OSGコーポレーション<6757>などが決算発表を予定している。
IPO関連では、12月11日のアルー<7043>及びピアラ<7044>上場まで休止期間となる。足元ではこれら12月IPOのBBが順次始まっているが、アルーなど序盤の申込み状況は順調なようだ。前述のとおり、今週はソフトバンクなどがBB期間に入る。なお、先週はテノ.ホールディングス<7037>(21日、マザーズ)の新規上場が発表されており、12月のIPO件数は計20社となった。
<FA>
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