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2020/07/31 - 日本情報C(4054) の関連ニュース。 日経平均は6日続落。418.25円安の21920.98円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。 30日の米株式市場でNYダウは反落し、225ドル安となった。4-6月期国内総生産(GDP)速報値が過去最大の落ち込みを記録し、週間の新規失業保険申請数も2週連続で増加したため、景気回復の鈍化懸念が広がった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は続伸し、取引終了後に発表されたアマゾン・ドット・コムやアップルの決算も好感されたが、国内企業ではアドバンテス<6857>などの決算が軟調。

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日経平均は6日続落、気は早いが「やはりグロース株」の理由

配信元:フィスコ
投稿:2020/07/31 12:21
 日経平均は6日続落。418.25円安の21920.98円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。

 30日の米株式市場でNYダウは反落し、225ドル安となった。4-6月期国内総生産(GDP)速報値が過去最大の落ち込みを記録し、週間の新規失業保険申請数も2週連続で増加したため、景気回復の鈍化懸念が広がった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は続伸し、取引終了後に発表されたアマゾン・ドット・コムやアップルの決算も好感されたが、国内企業ではアドバンテス<6857>などの決算が軟調。為替相場が1ドル=104円台前半まで円高進行したことも嫌気され、本日の日経平均は71円安からスタートすると、前引けにかけて21906.72円(432.51円安)まで下落する場面があった。取引時間中に22000円を下回るのは6月29日以来、およそ1カ月ぶりとなる。

 個別では、ソフトバンクG<9984>任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、ソニー<
6758>などが軟調で、キヤノン<7751>は見切り売りがかさみ5%超下落した。ソフトバンクGは取引開始前に1兆円の自社株買い実施を発表したが、買いは続かなかった。決算発表銘柄ではコマツ<6301>やパナソニック<6752>が急落。前述のアドバンテスは今期減益見通しがネガティブサプライズとなり、ストップ安水準で前場を折り返した。
一方、決算が好感されたアンリツ<6754>TDK<6762>ルネサス<6723>は大幅高となり、富士通<6702>も買い優勢。ZOZO<3092>はストップ高水準での買い気配が続き、ZHD<4689>にも買いが波及しているようだ。

 セクターでは、ゴム製品、パルプ・紙、金属製品などが下落率上位で、その他も全般軟調。電気・ガス業のみ小幅に上昇している。東証1部の値下がり銘柄は全体の90%、対して値上がり銘柄は9%となっている。

 前日の米国市場では経済指標の悪化に伴いNYダウの下落、長期金利の低下(債券価格の上昇)、ドル安進行とリスク回避的な動きが強まり、本日の東京市場もこうした流れを引き継いだ。日経平均は下げ足を速め、節目の22000円とともに21900円台半ばに位置する200日移動平均線も下回ってきている。このところ株価指数先物において売買低調ななか海外勢の売りが見られており、本日はこうした動きが強まった可能性がある。

 売買代金上位を見ると、ファーストリテなどの日経平均への寄与が大きい値がさ株と、トヨタ自<7203>などの東証株価指数(TOPIX)への寄与が大きい時価総額上位銘柄が揃って軟調。買いが入っているのは決算が好感された一部銘柄に限られている。決算への反応は悪いものばかりとも言えないが、アドバンテスのストップ安を見ると企業決算の悪さが意識されやすいかもしれない。ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりで、やはり決算を受けて前日までよりやや膨らんでいる。

 新興市場でもマザーズ指数が反落。本日、マザーズへ新規上場した日本情報C<4054>とサンアスタリスク<4053>はともに公開価格を7割ほど上回る初値を付けた。公募・売出し規模がマザーズ上場案件としてはやや大きかったことを考慮すれば健闘したと言えるが、大方の初値予想は下回っており、個人投資家のスタンスも慎重姿勢に傾きつつあることが窺える。

 TOPIXが1.80%の下落で前場を折り返しているため、後場は日銀による上場投資信託
(ETF)買い実施が期待される。ただ、一昨日の後場は日銀ETF買いでも日経平均を支えきれず、本日は週末と月末が重なったうえに4-6月期決算発表の第1のピークということもあり、積極的な買いを入れづらいだろう。後場の日経平均も軟調な展開になるとみておきたい。

 さて、ここまで企業の4-6月期決算発表が進み、個別銘柄の値動きは上下に大きくなっている。とはいえ、アドバンテスなど一部のケースを除くと、好悪の方向感が想定と異なった決算は少ない印象だ。値幅の大きさは「想定以上に良かった、あるいは悪かった」ことに起因するものと考えられる。

 これは期初に業績予想を示さない企業が多かったことによる心理的な効果から説明できそうだ。すなわち、(1)コロナ禍による好悪影響の分析や議論がより深まった一方で、(2)アナリストは業績予想を作成する際に基準を求めがち(いわゆるアンカリング効果)で、企業側の業績予想が開示されなかったために前期実績に寄ってしまったと考えられる。また、事業環境が厳しさを増したことで、より「経営の質」が問われているとも言えるだろう。

 これらから考えられるのは、4-6月期決算を受けて業績好調な企業はより良い方向に、不調な企業はより悪い方向に市場予想コンセンサスが修正を迫られるということだ。制度的に売りを手掛けづらい新興市場銘柄となると話は別だが、東エレク<8035>
のように株価位置の高い銘柄でも一定の信用売りが入っており、証券各社の目標株価を大きく超過しているような銘柄はさほど多くない。コンセンサス切り上げによる株価上昇が十分見込めると考えられる。

 前述した米長期金利の低下基調も、株価バリュエーションの高いグロース(成長)
株にとっては追い風だ。決算発表が一巡した後は、「やはりグロース株」というムードが広がっていそうだ。
(小林大純)
<AK>
配信元: フィスコ

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