財政責任法案が上院で可決、債務不履行(デフォルト)が回避されたことで買いが先行。5月雇用統計は強弱入り混じる内容だったが、今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ一時停止の予想を変更させるほどの内容ではないとの見方から相場を一段と押し上げた。ナスダック総合指数は+1.06%と続伸。米株高を引き継いで日経平均は339.9円高からスタート。再び140円台に乗せた円安・ドル高や中国による経済政策期待も手伝い、景気敏感株を中心に買いが加速。心理的な節目を前にもみ合う場面もあったが、値がさ株やハイテク株にも買いが入るなか、前場中ごろには32000円を突破。後場は一段と上値を伸ばす展開となり、高値引けとなった。
大引けの日経平均は前日比693.21円高の32217.43円となった。東証プライム市場の売買高は14億7600万株、売買代金は3兆8712億円だった。セクターでは機械、海運、繊維製品が上昇率上位に並んだ一方、電気・ガスのみが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の89%、対して値下がり銘柄は9%だった。
個別では、中国が不動産市場を支える新たな一連の措置を検討との報道を受け、コマツ<6301>、日立建機<6305>の建機関連、神戸製鋼所<5406>、JFEHD<5411>の鉄鋼、三井物産<8031>、三菱商事<8058>の商社のほか、安川電機<6506>、SMC<6273>などの中国売上比率の高い銘柄が軒並み高。ソニーG<6758>、信越化学<4063>の値がさ株、郵船<
9101>、商船三井<9104>の海運も買われ、円安を追い風に三菱自動車<7211>、マツダ<7261>の自動車関連は急伸。
政府の水素供給網の整備に向けた方針を材料に岩谷産業<8088>、川崎重工<7012>も大きく上昇。「OPECプラス」による協調減産の2024年末までの延長およびサウジアラビアによる日量100万バレルの追加減産を受け、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>、コスモエネHD<5021>も高い。既存店売上高が好感されたファーストリテ<9983>も上昇。ソシオネクスト<6526>、アドバンテスト<6857>、ルネサス<6723>などの半導体も強い動き。
一方、今期計画がサプライズに乏しかった北陸電力<9505>が大幅に下落し、東京電力HD<9501>も大幅安。楽天G<4755>、KDDI<9433>が軟調。既存店売上高のマイナス成長が嫌気されたニトリHD<9843>は下落。今期が減益見通しで市場予想を大幅に下振れたアインHD<9627>は東証プライム市場の値下がり率トップ。ほか、値下がり率上位にはピックルスHD<2935>、リニカル<2183>、F&LC<3563>などが並んだ。
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