下方に大きな窓がなく、反転も難しい
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 323.54 ドル安の 34002.92、ナスダック総合指数は 311.21 ポイント安の 14255.48 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 27940 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。28000 円の攻防に移ると思われる。
昨日は NY 株が下落したほか、米長期金利が上昇。NY 原油先物が7年ぶりの高値をつけるなど、日本株にとってかなりの逆風となっている。米インフレ圧力が将来的な金利上昇を助長。早期の利上げ観測も高まっており、これがハイテク株中心に上値を抑えることになりそうだ。
また、指数寄与度の高いファストリ(9983)が既存店売上高を発表。9月は前年同月比で19.1%減となっており、日経平均を押し下げることになりそうだ。
日経平均の日足チャートでは、完全に下落モードとなっている。明確な底入れ感もなく、下値模索を続ける状態。下方に大きな窓も存在せず、需給変化による反転が難しい状況だ。なし崩し的に下落する可能性が高く、株価を押し下げることになりそうだ。
あとは中国・恒大集団の動きとなるが、昨日は理由もはっきりせず売買停止。投資家に不安心理が広がっている。一部、子会社保有の株式を売却したとの報道が出ているが、果たしてそれで足りるのか――普通は「一時しのぎ」という捉え方になるのだろう。
日銀 ETF に関しては、足元、2回ほど買っているが、相場のストッパー役にはなっていない。「ないよりまし」ということにもなるが、相場の流れを変化させるものにはならなそうだ。投資家は「売りポジション」を維持しながら、相場の真意(どこまで下げるのか)を探ることになる。