【投資脳のつくり方】日経平均株価1000円高

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【投資脳のつくり方】日経平均株価1000円高

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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

■日経平均株価が1,000円以上もの上昇を演じています。
先週はとんでもない暴落を演じたかと思えば、とんでもない上昇を演じる。
投資家がいかにパニックになっているか、ということでしょう。

先週末にお伝えしたように、私は、9月のリーマン破綻以降は、
決して悲観にくれる必要はないと考えています。
また、精神力を問われているとも書きました。焦ることは何もありません。

じっくりと、金融を中心に物事を考えて行く事で、
また、過去の歴史を紐解く事で見えてくることがあると考えています。

本日は新聞休刊日ではありますが、お届けしたいと思います。


●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.日経平均株価1000円高
2.米金融危機は、邦銀にとって危機なのか?
3.金融は脇役に徹すべきだった

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081014-toushinou.pdf

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1.日経平均株価1000円高

(出所)2008年10月14日付日経速報ニュースより

 ●日経平均株価、乱舞
 ●投資家のパニック心理が一転
 ●1933年大恐慌後の反発局面と同じと考えられるか

米NYダウの大幅高を受け、日経平均株価も全面高。
1,000円を超える大幅高となり、市場に安堵の声が聞こえている。
もちろん、週末のG7における各国が足並みを揃えて
金融恐慌に立ち向かう姿勢が好感されたという理由はあるだろう。
ただ、目新しい材料が出た訳ではない。
そう考えると、最近の急落と本日の急騰も、
やはり投資家心理が大きく左右していると考えざるを得ない。

状況としては、9月中旬のリーマン破綻から続く金融恐慌に対して、
世界の金融当局は適切な施策を採っているという信頼感がある。
そのため、9月中旬より、かなり強気のコメントを繰り返してきた。
しかし、株価は大きく下落、特に10月に入ってからは、
金融恐慌と呼べるほどの壊滅的な下落となってしまった。

たしかに、1929年ほどの恐慌になるとまでは考えていなかった甘さがあった。
しかし、そこまで下落した事で、かえって1929年と比較する事で、
数年後、2008年10月が大底であったと振り返ることができると考える。
1929年の大恐慌は、その後1933年まで下落が続いた。
その後の下落は、1929年につけた大恐慌後の安値がかわいく見えるほどだった。
その流れが変わったのは、政府当局から楽観論が消え、
各行に公的資金が投入されたからだった。

今回のG7で明らかになったことは、
まさに1933年の反発を予感させるものになった。
米政府は14日、金融安定化法に基づく7000億ドル(約70兆円)の公的資金のうち
2500億ドル(約25兆円)を資本注入にあてる見通しとなった。
先に欧州が包括的な危機対策を発表しており、資本増強策が動き出す。

先週末に当コラムで書いたように、ここは弱気になるタイミングではない。
積極的に投資をするとまではいかなくとも、現金化を急ぐ必要は無い。


2.米金融危機は、邦銀にとって危機なのか?

(出所)2008年10月14日付日本経済新聞より

 ●サブプライムローン問題後の暴落を読み切れなかった
 ●邦銀を中心とした金融関連は9月中旬から強気転換
 ●これだけの暴落の中、逆行高を演じている「オリックス」

今回の私の反省点は、昨年春先にはサブプライムローン問題が長引く事を予想し、
米NYダウが14,000ドルをピークに下落すると
「日本の論点2008」(文藝春秋編)にまで寄稿したにも関わらず、
その後のマネーバブルの崩壊という最大の株価下落を読み切れなかった点にある。

実際、9月中旬のリーマン破綻まで待って、強気に転じたにも関わらず、
その後の株価下落は投資家を凍らせるものだった。
しかし、その時点で最も強気であった「邦銀」のリターンはどうか。

例えば、プレミアムメールマガジン「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?
(ゴールドリポート)」では、全体ウェイトのうち、40%を現金とし、
20%を金融とする、ポートフォリオを提示している。
その結果、暴落を避けることはできなかったが、日経平均株価の下落に対し、
15%強、下落をとどめることができた。
中でも、邦銀は、横ばいで推移し、オリックスは逆行高を演じるなど、
米金融危機と言われながらも、実は日本の金融関連の株価は底堅く推移していた。
その点が奏功した。

毎週のネットセミナーと日々お送りするテキストメールによるサポートを
加えたゴールドリポート、ご興味がある方は、この機会にご覧いただきたい。
直近の暴落により、判断基準が不安定となってしまったことから、
お問い合わせも多くいただいている。
不透明な環境の中で、機関投資家を経験したファンドマネジャーが
どういうポートフォリオを構築するのか、完全に開示している。
“初月1ヶ月は無料”である。投資の一助にしていただければ幸いだ。

詳細はこちら/http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/68/P0006893.html 


3.金融は脇役に徹すべきだった

(出所)2008年10月12日付日経ヴェリタス12面より

 ●新生銀会長、八城政基氏に聞く
 ●「正直、見誤りました」
 ●中国は正しい

今は、企業訪問も重要だが、
世界で起こっている金融恐慌について知識を深めるタイミングだ。
中でも、2年ぶりに新生銀行会長に復帰した
八城政基氏のコメントからは学びが多い。

●(サブプライムローン問題が、世界的な金融危機、
経済危機に発展しつつある、という質問に対し)
私も正直、見誤りました。
去年の秋口ごろは全治1年くらいかなと見ていましたが、
現実には今から2年はかかるでしょう。
米当局の対応は後手を踏み、
関係者相互のコンフィデンス(信頼)がなくなった状態にあります。
財務長官が何を言っても効かない。
政府に対する信頼がなくなっています。銀行間の互いの信用もありません。
取り戻すのは短時間ではできません。
金融問題から実体経済への波及がこれだけ早いとは読めなかった。
金融の影響力が大きくなりすぎたのです。
本来、金融は経済全体の中で見れば脇役に徹すべきなのに
主役になってしまいました。
その主役がとんでもない問題を引き起こしてしまった。

●(日本のメガバンクは相対的に健全という意見に対し)言葉は悪いが、
「けがの功名」でしょう。
日本のバブル崩壊の後遺症で、新幹線の倍くらいの猛スピードで
走っているように見えた投資銀行業務に、乗らなかったし、乗れなかった。
(中略)でも、今後日本が世界の中で、金融立国になれるかというと、
そこは全然つながらない。


●私は04年に中国建設銀行と中国銀行業監督管理委員会に招かれました。
彼らの最大の関心事は、「なぜ日本でバブルが起こったか」「なぜバブルの
後遺症をうまく解決できなかったのか」の2点。(中略)上海総合株価指数が
2400から6000にいったところで、政策的にバブルをつぶしました。これは
計算ずくです。(中略)中国当局が何をやるのか。沿岸部と経済格差がある
内陸部への大規模な公共投資を通じた内需振興です。

私がここ10年で最も学んだ人物は誰か、
と問われれば八城氏の名前は必ず挙げる一人だろう。
投資のヒントが満載だ。


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■編集後記
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●大恐慌

大恐慌と同じであると考えれば、これだけ上昇しても一過性。
ここは現金化する、ということになるでしょう。

しかし、大底だとしたら・・・

悩ましいタイミングかもしれません。
が、少し長い期間を見れば、私は日本株にとっては、
明らかに10,000円前後の株価水準は投資チャンスであると考えます。

2、3割の下落を不安視し、2~3倍のリターンを見逃すことはしたくない、
と私は考えています。


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