利上げ観測を背景に「保険」と「銀行」が大幅続伸

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利上げ観測を背景に「保険」と「銀行」が大幅続伸

昨日の米国株式相場は小幅続伸した(DJIA +36.26 @39,164.06, NASDAQ +53.52 @17,858.67, S&P500 +4.97 @5,482.87)。ドル円為替レートは160円台後半での前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が660に対して、下落銘柄数は924となった。騰落レシオは115.73%。東証プライムの売買代金は4兆2833億円。

TOPIX +16 @2,810
日経平均 +242円 @39,583円

米国では、米10年債利回りが前日の4.316%から4.286%へ低下したため株式相場を下支えた。ただ、翌日に5月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えていたので、売買は低調だった。マイクロン・テクノロジーは7%超下落し、エヌビディアも2%弱下げた。

本日の東京市場では、米国株の小幅続伸と円安・ドル高の進行を背景に日経平均は続伸した。トヨタ自動車やホンダなど自動車株は円安・ドル高を好感して堅調に推移した。ただ、東証プライムの中身を見ると、上昇銘柄数660<下落銘柄数924だったので下落する銘柄の方が多かった。また、期末なので年金基金など国内機関投資家からリバランス目的(持ち高調整をする)のための売りが出易かった。ソフトバンク、アドバンテスト、東京エレクトロンなどの値嵩株が買われて日経平均を押し上げた。米マイクロン・テクノロジーが急落したが、その悪影響は日本市場では既に昨日の時点で織り込み済みだったため、本日の日本株に大きな悪影響は及ぼさなかった。

予想通りというか、株価の原理原則通りというか、これまで何度もこのブログで説明して来たように金利上昇観測を背景に保険株と銀行株が大きく続伸した。なぜか。

総務省が今朝発表した6月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は生鮮食料品を除く総合指数が前月比で拡大した。米国金利が高止まりしており(9~11月頃まで利下げはなさそうだが大統領選挙の前には政治的圧力により利下げするはず)、日米金利差が大きいという構造的な理由により、円キャリー・トレードは止まらず、個人のお金も新NISAを通して米国証券に流れるためドル高・円安が更に進行している。さらに、日本企業の対外直接投資(FDI)はここ数年で最高水準で推移しているため円売り・ドル買いの実需は大きくほとんど恒常的である。なぜか、それは日本市場に自らを閉じ込めていては成長余地がないからである。これらすべてを考慮すると、このまま無為無策を続けると輸入物価がさらに上がり、消費者物価もさらに上がるのは必至である。それに加えて、午前中には国内債券市場で長期金利(=10年債利回り)が前日比0.015%上昇して1.085%まで上げて来た。そして、日銀はもともと超金融緩和状態から通常の状態に戻したがっている。

これらのすべてのベクトルの先にあるものは、日銀は早晩必ず現在よりも金融政策を引き締める(利上げ+国債買い入れ額の引き下げ)ということである。これは起こるか否かの可能性の問題ではなく、もはやいつ起こるか、つまりタイミングの問題である。まず今年7月に0.25%引き上げ、次に来年1月頃に追加の0.25%を引き上げ、そして来年4~6月頃には仕上げとしてさらに0.25%の利上げをして終了するというのがマーケットが予想している一つのシナリオである。マーケットはそれが次回7月の金融政策決定会合で決まると見ているようである。そして、利上げで収益がほぼ確実に高まるのはどの業種かという問いとその答えにたどり着くのにこのブログの読者なら数秒とかからないでしょう。皆さん、かなりの含み益になっていますよね!

日経平均の日足チャートを見ると、反発して一昨日の高値に迫ったが、今日のところは十字足となった。寄り付いてからは売り買いの力が拮抗したことを示す。日本時間で今晩の米国株の動き次第では、月曜日にはさらに続伸する可能性高い。しかし、期待に反して大どんでん返しが頻繁に起こるのが相場であることを常に留意しておく必要ある。

33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、銀行(2位)、海運(3位)、鉱業(4位)、鉱業(5位)となった。

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