15日の米株式市場ではNYダウが155ドル高と3日ぶりに反発した。中国が景気刺激策の導入を示唆したことでアジア・欧州株がほぼ全面高となり、米国株も買いが先行。動画配信サービスを値上げしたネットフリックスを中心にハイテク株が買われ、ナスダック総合指数は7000pt台を回復した。英議会下院で欧州連合(EU)離脱案が否決されたことも想定内と受け止める向きが多く、本日の日経平均は米株高を好感して20円高からスタートしたが、寄り付き直後にはマイナスへ転じた。前場中ごろには20323.32円(231.97円安)まで下落する場面があった。東証1部の値下がり銘柄は全体の6割強となっている。
個別では、ファーストリテ<9983>が2%超下落して日経平均を約49円押し下げた。「企業変革プラン」の発表から大幅高となっていたオリンパス<7733>だが、本日は利益確定売りに押され4%超の下落。業績観測が報じられたコーセー<4922>は5%超下落し、資生堂<4911>も下げが目立った。その他売買代金上位では武田薬<4502>、トヨタ自<7203>、村田製<6981>などが軟調で、ソフトバンクG<9984>は小幅に下げた。また、第3四半期決算がネガティブ視された古野電気<6814>などが東証1部下落率上位に顔を出した。一方、任天堂<7974>が小幅に上昇し、キーエンス<6861>はしっかり。ユニファミマ<8028>は2%超高となった。また、決算が好感された東京ベース<3415>はストップ高水準まで買われ、東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、石油・石炭製品、鉱業、ゴム製品などが下落率上位。反面、電気・ガス業、水産・農林業、情報・通信業などが上昇率上位だった。市況関連株の下げが目立つ一方、内需・ディフェンシブセクターが底堅く推移した。
日経平均は寄り付き直後を高値にマイナスへ転じ、一時200円を超える下落となったが、市場の受け止めは比較的冷静だ。直近2日で400円近く上昇し、節目として意識される20500円台を回復していたため、利益確定の売りが出てくることは想定内だろう。新興市場ではマザーズ指数、日経ジャスダック平均がプラス圏で推移しており、個人投資家にもリスク回避ムードの広がりは見られない。後場の日経平均は落ち着いた推移になりそうだ。
しかし、前場の東証1部売買代金は概算で1兆円あまりにとどまっており、積極的な売買は手控えられているようだ。中国株も本日は上げ一服となっており、為替相場は引き続き1ドル108円台で下げ渋っているため、買いの手掛かり材料に乏しい。前日までに9-11月期決算が一巡し、これを手掛かりとした個人投資家による中小型株物色中心の相場展開が続くだろう。
(小林大純)
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