週明け25日の米株式市場でNYダウは14ドル高と小幅反発。世界経済の減速懸念からアジア・欧州株がほぼ全面安となり、NYダウも130ドル安となる場面があったが、前週末22日に460ドル安と大きく値を下げていただけに押し目買いが入った。やはり前日に650円安と急落した日経平均も自律反発が期待され、本日は197円高からスタートすると上げ幅を広げる展開。3月期末の権利付き最終売買日とあって、配当取りの買いや配当再投資に絡んだ思惑からの買いも入り、前引けにかけて一時21393.32円(416.21円高)まで上昇した。東証1部の値上がり銘柄は全体の9割強となっている。
個別では、任天堂<7974>が売買代金トップで5%の上昇。海外メディアが家庭用ゲーム機
「ニンテンドースイッチ」の新モデル2種を今夏にも発表すると報じ、買い材料視された。
エーザイ<4523>は3日ぶりに取引時間中に売買成立し、4%高と急反発。サイバー<4751>も9%高と急伸したが、米アップルの動画配信参入が刺激材料となったようだ。その他売買代金上位もソニー<6758>、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>、武田薬<4502>など全般堅調。また、業務提携に関するリリースが材料視されたマネパG<8732>が急伸し、東証1部上昇率トップとなった。一方、日経平均寄与度の大きいソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>は小安い。ZOZO<3092>も利益確定売り優勢。業績上方修正を発表したセ硝子<4044>は市場の期待に届かず売られ、ジャムコ<7408>は国土交通省による立ち入り検査が嫌気された。セクターでは、全33業種がプラスとなり、その他製品、陸運業、金属製品、医薬品、鉱業などが上昇率上位だった。
前日の日経平均の下落率はおよそ3%と、主要国の株価指数のなかでも特に下げが目立った。米国株がひとまず下げ渋ったことで、本日は自律反発の流れとなっている。市場では配当再投資に絡んで6000億円超の買い需要が発生するとの見方も広がっており、日経平均の戻りを後押ししているようだ。任天堂が新型「スイッチ」に関する報道から活況を見せているほか、新興市場ではマザーズ指数が1.5%超の上昇で前場を折り返しており、個人投資家のマインドも上向いていることが窺える。
ただ、世界経済の減速懸念からNYダウや中国・上海総合指数の戻りは鈍く、海外株の動向を見極めたいとの思惑も徐々に強まりそうだ。米国では26日に2月住宅着工件数、27日に1月貿易収支などの発表が予定されているほか、週後半には米中の閣僚級協議が控えている。日経平均の日足チャートでは、21400円台に5日移動平均線や25日移動平均線が位置しており、この水準が目先の戻りめどとして意識される可能性がある。
(小林大純)
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