■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶり小反落、3万8000円台維持
2.連休明け大幅高スタート、米利下げ期待再燃
3.週半ばは様子見ムードに、円安にも反応薄
4.オプションSQに絡み半導体関連の一角に売り
5.週末は反発、半導体冴えないが海運・商社が上昇
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比6円(0.0%)安の3万8229円と、3週ぶりに小反落した。
今週は大型連休が明けた火曜に大幅高と好調なスタートを切ったが、その後は勢いが続かなかった。前週に乱高下した為替相場が再び円安に振れたが反応は限られた。週末金曜は反発したが主力の半導体株は冴えない動きに。前週に続き日経平均は3万8000円台を維持した。
連休明け7日(火)の東京株式市場は大幅高。日本が休場の間に米国株市場が戻り足を強めたことで投資家心理が改善した。前週末3日に開示された4月の米雇用統計は事前コンセンサスを下回る内容となり、米利下げ期待が再燃。この流れを受けて半導体関連株への買いが活発化し、日経平均は600円近く上昇した。8日(水)は反落。前日大幅高の反動で様子見ムードが漂うなか、場中のアジア株市場が総じて軟調だったことから投資家心理が冷えた。日経平均は600円を超える下げで前日の上昇幅を帳消しに。為替市場は円安に振れたが、これを好感する動きはみられなかった。個別には決算発表とともに今期増配見通しや自社株買いを発表した日本郵船 <9101> [東証P]が逆行高となった。9日(木)も下落。前場は堅調に推移していたが、日米の長期金利上昇を嫌気する形で買いが手控えられ、後場に入ってマイナス圏に沈んだ。翌日のオプションSQ算出を控え先物主導で仕掛け的な下げ圧力が観測され、半導体関連の一角には売りが拡大。一方、TOPIXはプラス圏を維持して着地した。10日(金)は3日ぶりに反発。米株市場の上昇基調が続くなか東京市場もようやく切り返したが、買い一巡後は伸び悩む展開となった。半導体関連株が引き続き冴えない動きのなか海運や商社株などが上昇し全体を支えた。
■来週のポイント
来週は決算発表が佳境を迎えるため、これを手がかりとした売買がより活発になるだろう。全体相場は米国の利下げ期待が続くのかどうかが焦点となる。相次いで発表される米重要指標から目が離せない週となりそうだ。
重要イベントとしては、国内では16日朝に発表される1-3月期GDPが注目される。海外では、14日に発表される米国4月生産者物価指数、15日に発表される米国4月の消費者物価指数と小売売上高、16日に発表される米国4月の住宅着工件数と鉱工業生産指数、17日に発表される中国4月の鉱工業生産指数と小売売上高および1-4月固定資産投資、米国4月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(5月7日~5月10日)
【↑】 5月 7日(火)―― 急反発、米株高を受けリスク選好の買い優勢
日経平均 38835.10( +599.03) 売買高16億5038万株 売買代金 4兆6830億円
【↓】 5月 8日(水)―― 大幅反落、半導体関連などを中心に売り優勢
日経平均 38202.37( -632.73) 売買高16億9499万株 売買代金 4兆6972億円
【↓】 5月 9日(木)―― 続落、朝高も半導体関連の一角が売られる
日経平均 38073.98( -128.39) 売買高17億0146万株 売買代金 4兆5012億円
【↑】 5月10日(金)―― 3日ぶり反発、朝高も買い一巡後は伸び悩む
日経平均 38229.11( +155.13) 売買高23億2067万株 売買代金 5兆3172億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、19業種が値上がり
(2)値上がり率トップは郵船 <9101> など海運
(3)輸出株はまちまち。竹内製作所 <6432> など機械が高いが、
三菱自 <7211> など自動車は値下がり率トップに売られ、ソニーG <6758> など電機も安い
(4)内需株もまちまち。リクルート <6098> などサービス、味の素 <2802> など食料品が買われ、JR東日本 <9020> など陸運が売られた
(5)SBI <8473> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行、オリックス <8591> などその他金融といった金融株は堅調
(6)資源株はINPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油が高い一方、住友鉱 <5713> など非鉄は軟調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(3) データセンター
2(2) 半導体
3(5) 円高メリット
4(4) 人工知能
5(1) 円安メリット
※カッコは前週の順位
株探ニュース
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