■株式見通し:リバランスの動きは継続、ハイテク株の底堅さを見極め
■JR西、2Q営業利益 黒字転換 338億円、通期据え置き
■前場の注目材料:THK、高速回転対応の軸受開発、転動体にボール採用
■リバランスの動きは継続、ハイテク株の底堅さを見極め
2日の日本株市場は、売り優勢ながらも下値の堅さは意識されやすい相場展開が見込まれよう。1日の米国市場ではNYダウが79ドル安だった。中国がゼロ・コロナ政策を緩和するとの思惑で上昇したアジア、欧州市場の流れを受けて買い先行で始まった。ただし、10月ISM製造業景況指数やJOLT求人件数などの経済指標が予想を上回ったほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)開始にともない大幅追加利上げを織り込む形で長期金利が上昇に転じると警戒感が強まり下落に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比100円安の27590円。円相場は1ドル148円00銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。ただし、FOMCを前に積極的な売買は手控えられるほか、祝日前とあってポジション調整の動きも意識されるため、調整の動きは想定内であろう。一方でリバランスに伴うショートカバーの動きは引き続き意識されやすく、底堅さは見られそうだ。日経平均は10月3日安値25621.96円をボトムに下値切り上げのトレンドを継続しており、上値を抑えられていた75日線を突破してきた。三角もち合いを上放れつつある形状のため、FOMC通過後にトレンドが強まる可能性のなか、ショートカバーは入りやすいだろう。
また、米国の主要な株価指数は下落したものの、SOX指数は上昇している。半導体株へはリバランスに伴う買い戻しの動きが続いていると見られ、東京市場においても同様の流れが意識されやすいだろう。また、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は取引終了後に決算を発表。1株利益が予想を下回り第4四半期の弱い見通しを示したが、警戒されたほど悪化しなかったとの見方からか、時間外取引で買戻しが先行していることも手掛かり材料になりそうだ。
さらに、昨日決算を発表したソニーG<6758>、TDK<6762>へは評価した買いが向かう可能性があるため、指数を下支えする可能性があるだろう。そのため、日経平均は売り一巡後は底堅い値動きを見せてくると考えられ、短期的に弱含む局面においては、押し目狙いのスタンスで臨みたいところ。中小型株については祝日前ということもあり、いったんはポジションをクローズする動きに向かわせそうだが、こちらも調整が強まる局面では、中期スタンスで押し目を拾いたいところだろう。
■JR西、2Q営業利益 黒字転換 338億円、通期据え置き
JR西<9021>が2023年3月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比41.2%増の6167.05億円、営業損益は338.54億円の黒字(前年同期は861億円の赤字)だった。コンセンサス(263億円)を上回る。運輸業セグメントでは、鉄道需要の回復により利用が増加。不動産業セグメントでは、ショッピングセンター運営業において、3月に開業した富山駅南西街区の商業施設「MAROOT」の売上が好調。なお、通期計画は据え置いており、コンセンサスを下回っている。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(27678.92、+91.46)
・1ドル=148.20-30円
・SOX指数は上昇(2402.75、+18.30)
・VIX指数は低下(25.81、-0.07)
・米原油先物は上昇(88.37、+1.84)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・THK<6481>高速回転対応の軸受開発、転動体にボール採用
・昭和電工<4004>半導体「後工程」材料拡充を検討、技術開発活発化
・東京電力HD<9501>規制料金上げ検討、燃料高騰で財務基盤悪化
・KDDI<9433>通信障害対策に500億円、AIで自動復旧
・富士通<6702>台湾の大学組織に疑似量子技術提供
・丸紅<8002>丸紅など大手商社、空飛ぶクルマ・RD燃料実証、大阪万博で事業化
・三菱商事<8058>洋上風力推進、35年ぶり秋田・銚子に国内支店
・豊田通商<8015>グリーンファイナンス・フレームワークを策定
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 10月マネタリーベース(9月:前年比-3.3%)
・08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨(9月21-22日開催分)
<海外>
・特になし <ST>
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