東証プライム市場の騰落銘柄数は、値下がり銘柄が1100に迫り、全体の7割近くを占めた。セクター別では、海運、繊維製品、陸運、食料品、小売など9種が上昇。一方、輸送用機器、その他製品、証券商品先物、保険、銀行など24業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、太陽誘電<6976>、イオン<8267>、ニデック<6594>、京成<9009>、セコム<9735>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、アドバンテス<6857>、TDK<6762>、ソニーG<6758>が軟調だった。
東京市場は過熱感から当面の利益を確保する売りが優勢となった。また、「米国と韓国が5月初めに為替政策について協議を実施」と報じられたことで、円安是正が議論されるのではないかとの思惑から円高が進んだことも投資家心理を圧迫した。
日経平均は、米中両国の追加関税の引き下げ合意を受け水準を戻してきただけに、当然の調整との受け止めが多い。米国では15日、4月の卸売物価指数(PPI)などの経済指標の発表が相次ぐ。関税政策の影響が米国の消費にどの程度悪影響を及ぼしているのか確認したいところだ。また、パウエルFRB議長やバーFRB理事の発言機会も予定されており、発言内容を見定めたい。もっとも、決算発表はピークを通過した。今後は機関投資家も動きやすくなると考えられ、底堅さは意識されやすいだろう。
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