東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が2000を突破し、全体の9割超を占めた。セクター別では、保険、鉄鋼の2業種を除く31業種が下落し、精密機器、サービス、電気機器、空運、金属製品、陸運、倉庫運輸、不動産、鉱業の弱さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、塩野義<4507>、東京海上<8766>、KDDI<9433>、NTT<9432>、新生銀<8303>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、テルモ<4543>、リクルートHD<6098>、ソニーG<6758>の5銘柄で日経平均を340円超押し下げた。
注目されたFOMC議事要旨では、政策金利を「従来の想定より早期、あるいは迅速に引き上げることが正当化される可能性がある」と記されたほか、利上げ開始後比較的早い時期にバランスシートの縮小(QT)を開始することが適切になり得ると一部の参加者が留意した」との記載も見られた。米国の金融政策のタカ派化を背景に、リスク回避の動きが優勢となった。また、時間外取引での米株先物が下落しているほか、長期金利も1.728%と高値圏で推移しており、金利動向に敏感とされるハイテク関連には売りが続いた。
新年を迎え、資産配分の見直しで、海外勢による資金流入が強まったとの観測が聞かれるが、下値抵抗帯と意識されていた75日線や25日線水準を下抜けてきたため、再び調整局面に入るのではないかとの不安心理が増幅しつつある。また、今週末には米雇用統計の発表を控えており、平均時給の大幅な伸びに伴うインフレ懸念が強まるのか見極めたいところであろう。それ故に、目先は米国の経済指標などをにらみながら、不安定な値動きを強いられそうだ。
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