■株式見通し:決算ピークで週を通じて方向感は出難いところ
■AGC、1Q営業利益98.0%増 442億円、コンセンサスを上回る
■前場の注目材料:洋インキHD、自動運転レーダー高精度化、筐体用ミリ波吸収材
■決算ピークで週を通じて方向感は出難いところ
10日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうである。7日の米国市場ではNYダウが229ドル高と続伸し、連日で最高値を更新。4月雇用統計で雇用者数の伸びが予想を大幅に下回ったため回復期待が後退し下落する場面も見られた。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が早期に金融緩和を縮小するとの警戒感が後退し上昇に転じると、引けにかけては金融緩和の長期化を期待した買いが一段と強まり、上げ幅を拡大している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の29410円。円相場は1ドル108円50銭台で推移している。
米国市場の上昇を受けた反応は見込まれるものの、シカゴ日経225先物の反応は限られていたこともあり、次第にこう着感が強まりそうである。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数拡大が収まらず、東京都の新規感染者数が日曜日では1月以来となる1000人を超えている。東京五輪開催も不透明となるなか、グローバルマネーは向かいづらいところである。また、今週は決算発表がピークとなるため、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすい状況でもある。週末には1000社近い企業の決算が予定されていることもあり、週を通じて方向感は出難いところである。
一方で、米国ではワクチン接種の進展による経済活動の正常化への期待は根強く、NYダウの最高値更新など需給状況は良好である。VIX指数は17.00を下回っており、リスク選好の流れは継続。欧州でもロックダウン解除の動きが見られてきており、外部環境は悪くないだろう。そのため、日本国内に限ってショートを仕掛けてくる流れにもなりづらく、日経平均の29200円から29500円辺りでのレンジ推移は続きそうである。
物色の流れとしては決算を手掛かりとした日替わり物色に向かいやすく、7日引け後の決算ではAGC<5201>、オリンパス<7733>、セイコーHD<8050>、邦チタニウム<5727>、ブロバンタワ<3776>辺りが注目されそうである。また、調整が続いていたナスダックは75日線水準からの反発を見せていることもあり、連動性の観点からハイテク株の一角の他、マザーズ銘柄などの自律反発も意識されやすいところである。
■AGC、1Q営業利益98.0%増 442億円、コンセンサスを上回る
AGC<5201>が発表した第1四半期決算は、営業利益が前年同期比98.0%増の442.23億円だった。コンセンサス(382億円程度)を上回る。東南アジアで塩化ビニール樹脂の販売価格の上昇が続いているほか、注力分野のバイオ医薬品の製造・開発受託も好調。また、主力のガラス事業では欧州や南米で建築向け販売価格が上昇した。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(29357.82、+26.45)
・NYダウは上昇(34777.76、+229.23)
・ナスダック総合指数は上昇(13752.24、+119.39)
・シカゴ日経225先物は上昇(29410、大阪比+20)
・SOX指数は上昇(3112.03、+45.80)
・VIX指数は低下(16.69、-1.70)
・米原油先物は上昇(64.90、+0.19)
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・洋インキHD<4634>自動運転レーダー高精度化、筐体用ミリ波吸収材
・フルサト工業<8087>フルサト工業とマルカ、10月経営統合、“技術商社”存在示す
・サンデンHD<6444>ADR成立、中国ハイセンス傘下に
・住友商事<8053>新中計、24年3月期に当期益3000億円
・日産自<7201>ダイムラー株売却、電動化推進に資金活用
・SUBARU<7270>トヨタと協業拡充、サプライヤーと品質改革推進
・平田機工<6258>2ヘッド搭載の結線装置、EV大型バッテリー向け
・三菱電機<6503>FA関連製品拡販、業種別に戦略
・オークマ<6103>新拠点、中・四国営業攻勢、工作機械常設・技術講習受け入れ
・ユアサ商事<8074>ユアサ商事など、道路冠水を無線で警告、商用電源不要
・古河電気工業<5801>国内電線大手、米英で光ファイバー攻勢、中国市場ピークアウト
・ニコン<7731>英バイオに出資
・昭和電工<4004>独インフィニオンと販売・共同開発契約、パワー半導体拡大へ
・JFE<5411>中計、24年度末CO2を18%削減
・三菱ケミHD<4188>シノペックに中国のエンプラメーカー株売却、10月末
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・03:00 エバンス米シカゴ連銀総裁オンライン討論会参加 <ST>
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