個別では、メドレー<4480>が週間で17.3%高、ウェルスナビ<7342>が同17.4%高、PKSHA Technology<3993>が同22.4%高と大きく上昇。これらの企業は前の週末に決算発表しており、好感した買いで週明け急伸した。売買代金上位ではBASE<4477>やHENNGE<4475>が堅調。4月の上場後、初の決算発表となったセカンドサイトアナリティカ<5028>は大幅に上昇し、他の直近IPO銘柄でもモイ<5031>やクリアル<2998>が買われた。また、セカンドサイトやペルセウスプロテオミクス<4882>、BuySell Technologies<7685>などが週間の東証グロース市場の上昇率上位に顔を出した。BuySellは決算を、ペルセウスは富山大学などとの共同研究をそれぞれ発表している。一方、メルカリ<4385>が同8.1%安となり、年初来安値を更新。配送サービス「メルカリ便」で6月に配送料の値上げを実施すると発表している。ほかにフリー<4478>が同3.5%安、JTOWER<4485>が同2.4%安となるなど、時価総額上位では軟調な銘柄が少なくなかった。また、ZUU<4387>、BlueMeme<4069>、いつも<7694>は決算を受けて急落し、週間の東証グロース市場の下落率上位にランクインした。
来週の新興市場では、マザーズ指数の戻りは鈍いとみておきたい。今週末5月20日の米国市場では長期金利の低下が続いたほか、主要株価指数はショートカバー(売り方の買い戻し)が入り下げ渋ったが、ハイグロース銘柄は一転して軟調だった。投資家の安全志向の高まりが金利低下の主因であるなら、ハイグロース銘柄の本格的な見直しにはつながりづらいだろう。日本の新興株を見ても、20日はマザーズ指数が2%超上昇する一方で、東証グロース市場の売買代金は1000億円に届かなかった。売りの少なさが株価上昇につながったものの、投資資金の流入は限られるとみた方がよいだろう。
メルカリなど時価総額上位の主力IT株はこうした資金流入の減少に加え、もともと海外機関投資家の株式保有が多かったことも株価調整の背景にあるものと考えられる。目先は短期の中小型株物色に活路を見出そうとする個人投資家が多いだろう。決算発表後の値動きが強いメドレーやPKSHA、BuySellなどに引き続き注目したい。
IPO関連では、5月31日上場予定のトリプルアイズ<5026>の公開価格が仮条件上限で決まった。不安定な市場環境ながら、ブックビルディング(BB)は順調だったと観測されている。来週は6月8日上場予定のANYCOLOR<5032>がBB期間入り。また、今週はマイクロ波化学<9227>(6月24日、東証グロース)など7社の新規上場が発表されている。
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