と4日続落。先週大きく下げていたため、寄り付きこそ小幅に上昇したものの、終日軟調に推移。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続が景気を冷やし、企業業績が悪化するとの懸念が引き続き相場の重荷となった。また、長期金利が上昇したこともハイテク株を中心とした売りにつながった。ナスダック総合指数は−1.48%と4日続落。他方、先週末からの連日の大幅下落を受けた値ごろ感や200日移動平均線手前からの反発を狙った買いで、日経平均は19.71円高と反発してスタート。断続的な買いで徐々に上値を伸ばし、前場中ごろには27339.49円(101.85円高)まで上昇した。
しかし、後場は一転して大幅下落。日銀が金融政策決定会合において事前の現状維持の予想に反し、大規模緩和の修正を発表。従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大すると決めた。このネガティブサプライズを受けて為替は急速に円高が進み、株式にはリスク回避の売りが広がった。日経平均は急落し、一時26416.91円(820.73円安)まで下げ幅を拡大。ただ、終盤にかけては押し目買いが入り、2
6500円を回復して終えた。
大引けの日経平均は前日比669.61円安の26568.03円となった。東証プライム市場の売買高は18億4392万株、売買代金は4兆757億円だった。セクターでは不動産、精密機器、輸送用機器を筆頭にほぼ全面安となった。一方、銀行、保険、電気・ガス、証券・商品先物取引の4業種が上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の88%、対して値上がり銘柄は11%だった。
個別では、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、日本電産<6594>、イビデン<4062>のハイテク株のほか、円高進行を嫌気してトヨタ自<7203>、日産自<7201>、三菱自<7211>、SUBARU<7270>の輸送用機器が軒並み急落。エムスリー<2413>、SHIFT<3697>のほか、JMDC<4483>、SREHD<2980>、サイボウズ<4776>、Appier Group<4180>、ラクス<3923>などのグロース株も総崩れとなった。
一方、利ザヤ改善期待から銀行株が軒並み急伸し、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、みずほFG<8411>、りそなHD<8308>などが大きく上昇したほか、富山第一銀行<7184>、筑波銀行<8338>、群馬銀行<8334>などの地銀株も大幅高。第一生命HD<8750>、T&DHD<8795>など保険も急伸。今期の追加株主還元を示唆した社長インタビューが伝わった川崎汽船<9107>は後場は失速したが、一時大幅高で終値でもプラス圏を維持した。防衛省の2023年度予算案に関する報道を材料に防衛関連としてカーリットHD<4275>、東京計器<7721>、豊和工業<6203>などが人気化。株主優待制度の拡充を発表したソーダニッカ<8158>、プラズマ援用研磨装置の開発機を受注したジェイテックコーポレーション<3446>なども急伸。積水化学<4204>は国内証券のレーティング格上げが好感された。
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