連休明け19日の米株式市場でNYダウは8ドル高と小幅に続伸。米中通商協議の行方を見極めたいなどとのムードが強かったものの、ウォルマートの決算が好感されて小売株を中心に買いが入った。本日の日経平均も43円高と小高くスタートしたが、前場中ごろに差し掛かると先物主導で上げ幅を拡大し、21494.85円(192.20円高)まで上昇する場面があった。為替が一時1ドル=110.90円台まで円安に振れたほか、トランプ米大統領が米中通商協議の期限延長を示唆したと伝わり、アジア市場では香港株などが堅調だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の6割強となっている。
個別では、売買代金トップのソフトバンクG<9984>が2%を超える上昇。前日に欧州生産撤退を発表したホンダ<7267>も堅調だった。市場では採算改善に寄与するとしておおむねポジティブ視しているようだ。その他売買代金上位ではソニー<6758>、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>などがしっかり。武田薬<4502>やキーエンス<6861>は小幅に上昇した。また、自社株買い実施や増配など好材料が相次いだアルコニックス<3036>が東証1部上昇率トップとなった。一方、富士通<6702>やネクソン<3659>、アンリツ<6754>が利益確定売りに押され、軟調ぶりが目立つ。ZOZO<3092>もさえない。また、レオパレス21<8848>が急反落し、東証1部下落率トップとなった。施工不備を巡る一部メディアの報道がネガティブ視されたようだ。セクターでは、非鉄金属、卸売業、海運業などが上昇率上位。反面、石油・石炭製品、鉱業など5業種が下落した。
注目された連休明けの米NYダウは小動きだったが、懸案の進展期待が高まる材料も出てきている。トランプ米大統領が対中交渉の期限延長を示唆し、英国の欧州連合(EU)離脱を巡ってはメイ英首相とEUのユンケル欧州委員長が20日に会談することが決まった。週前半はややこう着感を強めていた日経平均も再び戻り歩調となり、出遅れ感の強かった非鉄金属株や海運株に資金が向かっている。
一方で、海外の短期筋による先物買い主導といった観測も聞かれ、戻り相場の持続力に対し市場の確信が深まった印象は乏しい。直近で株価上昇が目立っていた石油・石炭製品や鉱業といったセクターには利益確定の売りが出ており、日替わり物色の様相と言えるだろう。
(小林大純)
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