東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数900を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、保険、銀行、海運、鉱業など22業種が上昇。一方、食料品、空運、電気ガス、非鉄金属など11業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、レーザーテック<6920>、ファナック<6954>、東エレク<8035>が堅調だった半面、中外薬<4519>、資生堂<4911>、花王<4452>、京セラ<6971>、味の素<2802>が軟化した。
前日の米国市場は米半導体大手マイクロン・テクノロジーの業績懸念から半導体関連株の一角が売られ、SOX指数は続落したものの、主要な株価指数は上昇した。マイクロンの業績不安は前日の下げで織り込み済みとの見方が多く、半導体関連株には買い戻しの動きが強まった。また、日銀の追加利上げへの思惑から国内長期金利が上昇しているため、銀行や保険など金融株が上昇したほか、円安進行で自動車や機械など輸出株にも値を上げる銘柄が目立った。関係者からは「金融や商社、海運などの割安株に加え、トヨタ<7203>、キーエンス<6861>やソニーG<6758>など時価総額の大きい銘柄も買われるなど、海外投資家の日本株再評価の動きが出始めたのではないか」との声も聞かれ、投資家心理は上向いていた。
ただし、日米の金融政策に対する不透明感が拭えない状況では、積極的に上値を買い上がれないとの見方も多い。また、円安進行のスピードが速まれば、国内輸入物価の上昇につながり、国内景気には悪影響となる一方、輸出企業にとっては収益押し上げ要因になるなど強弱感が対立し、株式市場がどのような反応を示すのか見極めたいところだ。
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