17日の米株式市場でNYダウは小幅に反発し、22ドル高となった。6月のNY連銀製造業景気指数がマイナスに落ち込んだほか、全米住宅建設業協会(NAHB)の住宅市場指数も予想外に悪化。18日から開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)を前に早期利下げへの期待が高まったが、上値も重かった。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで12円安からスタートすると、朝方は前日終値をはさんだもみ合いが続いた。ただ、前場中ごろにかけて円相場が1ドル=108.30円台に上昇したことにつれ、日経平均は21043.72円(80.28円安)まで下落する場面があった。東証1部の値下がり銘柄は全体の6割強、対して値上がり銘柄は3割強となっている。
個別では、ソフトバンクG<9984>が2%安で前場を折り返したほか、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>、楽天<4755>、村田製<6981>などがさえない。東海カーボ<5301>は4%超安。独炭素製品メーカーの買収を発表したが、資金負担への懸念が先行したようだ。第1四半期決算が2割超の減益となった西松屋チェ<7545>は売りがかさみ5%超安。また、国土交通省が業務改善命令を出す方針と報じられたTATERU<1435>は急落し、東証1部下落率トップとなった。一方、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、ZOZO<3092>、キーエンス<6861>などはしっかり。決算発表のツルハHD<3391>や高レーティング付与観測の東芝テック
<6588>は大きく買われ、クボテック<7709>がストップ高で東証1部上昇率トップとなった。
セクターでは、電気・ガス業、鉱業、保険業などが下落率上位。反面、医薬品、パルプ・紙、その他製品などが上昇率上位だった。
前場の東証1部売買代金は概算で7900億円程度にとどまっており、引き続き本日からのFOMC、19日からの日銀・金融政策決定会合といった重要イベントを前に株式市場では手控えムードが強い。前場は円相場の上昇とともに日経平均が軟化する場面もあった。薄商いのため先物の売買に振らされやすい面もあるだろうが、イベント前にポジションを傾けにくい状況のうえ、先週も指摘した日銀の上場投資信託(ETF)買い入れや企業の自社株買いが支えとなっているため、下げは限定的なものとなっている。
前場中ごろには6月の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨が公表されたが、これら主要国が金融緩和姿勢を見せているため、円相場は強含みで推移している。ただ、日銀にも早晩、金融市場から追加緩和の催促が強まるとみられ、現時点で円相場の一段の上昇までは想定しにくい。ひとまず日米の決定会合を見極めたいところだろう。なお、マザーズ指数は1%安で前場を折り返している。足元のもち合い相場を意識した利益確定の売りに加え、明日から連日で新規上場企業が登場するため、これに備えた換金売りも出ているものとみられる。目先はこう着相場のなか中小型株に活路を見出す動きが続きそうだ。
(小林大純)
<AK>
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