個別では、マザーズ時価総額上位のフリー<4478>が週間で3.1%安、弁護士ドットコム<6027>が同5.8%安、前述のアンジェスが同9.0%安と軟調。売買代金上位ではバイオ・ヘルスケア関連のリボミック<4591>やプレシジョン・システム・サイエンス<7707>が大きく値を下げた。また、新作ゲームをリリースしたAiming<3911>は材料出尽くし感が広がり、週間のマザーズ下落率トップとなった。反面、メルカリ<4385>は上昇基調が続き同4.5%高。今期大幅増益見通しを発表したラクス<3923>は同22.7%高、上期決算が評価されたマネーフォワード<3994>は同6.8%高となった。また、ロコンド<3558>が上昇率トップだった。ジャスダック主力では日本マクドナルドHD<2702>が同2.1%高、セリア<2782>が同5.3%高となる一方、ワークマン<7564>が同0.6%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.4%安と高安まちまち。また、不二精機<6400>が週間のジャスダック上昇率トップ、Speee<4499>が下落率トップとなった。前の週に上場したSpeeeとBranding Engineer<7352>は初値高騰の反動がきつかった。なお、この週のIPOではアイキューブドシステムズ<4495>が公開価格の約3.0倍、GMOフィナンシャルゲート<4051>が約2.6倍、KIYOラーニング<7353>が約2.3倍となる初値を付けた。
来週の新興市場では、マザーズ指数の調整局面入りも視野に入れておきたい。コロナ禍でのニューノーマル(新常態)における新興ハイテク・バイオ企業への期待は根強くあるが、米主要ハイテク株と同様にマザーズ銘柄も需給的な要因などから上値の重さが目立ってきた。証券各社の目標株価との対比でやや過熱感の出ていた銘柄も少なくないだけに、いったんは株式需給の整理と過熱感の後退を待つタイミングだろう。
こうしたなかでも良好な値動きの続くメルカリやマクアケ<4479>、一部証券会社の強気の投資判断を手掛かりにリバウンドしたBASE<4477>などがマザーズ人気をつなぎとめるか注目される。なお、マクアケは7月21日に決算発表を予定。これまで急成長が続いているが、企業の資金調達環境の変化が追い風になると期待が一層高まっている印象だ。新興市場の決算発表はまだ少ないものの、東証1部銘柄ではディスコ<6146>、日本電産<6594>、オービック<4684>などがあり、関連する新興市場銘柄の刺激材料となる可能性もある。
IPO関連では、7月31日の日本情報クリエイト<4054>及びSun Asterisk<4053>上場を待つ形となる。8月3日上場のモダリス<4883>も含め、ブックビルディング(BB)における需要は堅調のようだ。また、7月20日からはティアンドエス<4055>もBB期間に入る。
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